
本が好きな、こだぬきトミー。 絵本「いっぴき オオカミ」の主人公に憧れたトミーは……。 いっぴきオオカミのようにぼうしをかぶり、赤い布をマントのように首に巻いて……かっこいい気分で出かけました!
ミミちゃんの風船を取ってあげようとしたり、池のそばでひっくり返っているカメキチくんを助けようとしたり……。 でも「いっぴき オオカミ」のようにかっこよくは行きません。 木から降りられなくなったとき、助けてくれたのはカンガルーのお兄さん。 池でおぼれそうになったら、ざぶーんと浮き上がってきて助けてくれたのはカバコちゃん。 「どうも ありがとう」とトミーが言うと、「いいってことよ」とかっこよく去っていきます。 本当はトミーが、いっぴきオオカミみたいに「いいってことよ」と言いたかったのですけどね。
でもちゃんとお礼を言うトミー、偉いです! そして最後にはトミーだって、この決めぜりふを言うことができるんですよ。 「いいってことよ」ってね!
トミーのくるくる変わる表情が愛らしい。 「ありがとう」「いいってことよ」のやりとりがさわやかな読後感です。 作者のいしいひろしさんは、『かもめたくはいびん』でデビュー後、動物たちのユーモラスな表情、色鉛筆のタッチが印象あざやかな作品を、いくつも描かれています。 本作もまた、動物たちの生き生きした雰囲気に、幸せな気持ちになる1冊。 やさしい明るさがあふれる絵本をぜひ親子でお楽しみくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

ヒーローに憧れるこだぬきのトミーは困っている皆を助けようとするけれど、逆に助けられてばかり。自分らしさを発揮する方法って…⁉

困っている人を助けようとするこだぬきトミーですが、なかなかうまいようにいきません。
逆に、助けられてばかり。。
人にも動物にも、それぞれ得意不得意なことがあって、お互いに助け合うことの素晴らしさを教えてくれています。
何かと人と比べて落ち込むことがあったりしますが、必ず自分にしか出来ないようなことがあったりするものです。そんな得意なことを自分で認識して、活かせるといいなぁ。子どもたちにも見つけてもらえたらなと思いました。 (ピーホーさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
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