「ひとりだったら、けん・ひろし・くみ。さんにんあつまれば、わんぱくだん。」
累計95万部を超える人気シリーズ、わんぱくだんシリーズの23作目のおはなし。
さて、何が起こるかな……?
近くの山へハイキングにやってきたわんぱくだん。
「てんぐやまハイキングコース」の看板を横目に、気持ちいい緑の中を、山頂へむかって歩きはじめます。
最初は元気いっぱいだったのに、だんだん疲れてきた3人。
道を間違えたのかと心配しながら、「このやまは、てんぐがでるんだってさ」「てんぐなんているわけないよー!」「そんなの、むかしばなしよねえ」と話し合っていると……。
「いるもん!」と木のかげから顔を出したのは、小さな男の子。
自分は天狗だと言ってその証拠を見せようとしますが、いくら頑張っても失敗ばかり。
泣き出した男の子に困った3人は一緒に遊んであげようと、かくれんぼをはじめます。
みんなで楽しく過ごしていると、「ばさばさばさばさ……」。
大きな羽根の音とともに舞い降りてきたのは、天狗!?
「とうちゃ〜ん」と嬉しそうな男の子。
えっ、本当に天狗だったの!?
シリーズのどのおはなしも、「こんなことがあったらいいのに」とうらやましくなるふしぎな出来事ばかり。
末崎茂樹さんの、細やかなタッチとやさしい色合いが、子どもたちが安心して“ドキドキ・わくわく”を味わえる作品にしています。
(今回は、天狗の横顔みたいな山の形にも注目です!)
あらわれたお父さん天狗に、わんぱくだんはどんなものを見せてもらえるのか、後半をお楽しみに!
読んだあとは、子どもの天狗がひょっこり顔を出さないかしら……と、山や森の木々の間を探したくなりますよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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