
ガンピーさんがジープに乗って、アフリカを旅していると…… とてもかなしいものに出会います。
母さん、父さんをなくしたサイの子ども。 人間が、母さん、父さんサイの、ツノをとったのです。 サイの子どもは涙を流しています。
サイにミルクをあげ、チャーリーと名付けたガンピーさん。 ジープに乗せて、熱い昼間の砂漠を避け、夜中走って…… 船で家へ連れて帰ることにします。
チャーリーは、どんどん大きくなります。 たっぷり食べさせるのはたいへんです。 ガンピーさんがチャーリーを学校に連れていくと、子どもたちと仲良くなり、チャーリーができる仕事(ついでにお腹も満たす)にありつきます。
楽しそうで自由なチャーリー。 お茶目なところもあるチャーリー。 ガンピーさんの家の暖炉のそばで、ガンピーさんの肘掛け椅子の足元にねそべってくつろぎ……。
2019年1月に亡くなったジョン・バーニンガムが、40年前からあたためていた作品。そして最後に描かれた絵本。 『ガンピーさんのふなあそび』『ガンピーさんのドライブ』などの一連の名作の最後の本です。 つねに子どもと動物にあたたかく、世界をひとまたぎするような広い視野で、子どもの絵本を描いてきたジョン・バーニンガム。 大きくて、マイペースで、ちょっと破天荒で、ガンピーさんとしあわせそうに暮らすサイに、願いがこめられているような気がします。
「チャーリーがいてくれればなあ」と、本の中で子どもたちが願うとき、ヒーローのように駆けつけるチャーリーの姿は、爽快! つきぬけたやさしさが、絵本から伝わってきます。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

ガンピーさんがアフリカであったのは おやをなくした、サイのこども。 にんげんがつのをとったのだ。 ガンピーさんは、おなかをすかせたサイにミルクをやった。 それから……。
ベストセラー『ガンピーさんのふなあそび』『ガンピーさんのドライブ』(ほるぷ出版)に続く ガンピーさんの絵本。
子どもや動物たちをあたたかいまなざしで見つめ、いつも子どもの側にいたバーニンガム。 彼が40年前からあたためていたお話ができあがりました。 2019年1月に亡くなったジョン・バーニンガム最後の作品。

「ガンピーさんのふなあそび」「ガンピーさんのドライブ」は、親子で大好きな宝物絵本です。
その続編が、ジョン・バーニンガムさんの遺作となるとは…複雑な気持ちでページを開きました。
そこには、変わらずに優しく、穏やかなガンピーさんの姿が。
ユーモアを忘れず、最後まで絵本を描き続けたバーニンガムさんの姿が見えるようです。
たくさんの素敵な作品をありがとうと、読みながら思いました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子12歳、男の子10歳)
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