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かの今江祥智氏から「白眉である」と称され、多くの画家の絵筆を動かし、子どもから大人まで、賢治作品との新たな出会いを創り出す話題のシリーズ。 うずのしゅげと呼ばれることもあるという野に咲く可憐な花の物語。うつむくように咲くその花を、上から見れば黒紫に見えるのが、蝶から見ればお日様の光を透かして燃え上がるように赤くなる。様々に変幻していくこの花を賢治はこよなく愛していた。

おきなぐさという花を知らなかったので、その生態とこの絵本を重ね合わせることはできないのですが、この山野草を主人公にして、回りの世界との関わりが情緒的に描かれていて、自然の営みに思いを馳せることが出来ました。
心の隅々まで清々しい気持ちにさせてくれるのは、お話のせいでしょうか、陣崎草子さんの絵のせいでしょうか。
自らがおきなぐさになって、おきなぐさの視点で描かれた、壮大な空間を感じました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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