
もうずっとながいこと、古い家の屋根裏部屋でひとりでくらしてきたおばけがいました。おばけは体を小さくすることもできるし、ガラスのように透き通ってみえなくなることもできます。もちろん飛ぶことだって! でも、屋根裏部屋の外に出るのは少し怖くて、ほとんど外に出たことはありませんでした。でもある夜、あんまり月がきれいだったので、外に飛び出して家の周りを一周分だけ、夜空を飛んでみました。すると、次の日から、この家に住む小さな女の子が屋根裏部屋にやってくるようになったのです。おばけは、せっかく自分一人で居心地が良かった部屋なのに、とごきげんななめです。女の子がこなくなるように、みえなくなってつついてみたり、紙袋をかぶって飛んでみたり、おばけならではの技であれこれとやってみるのですが……。木炭鉛筆で緻密に描かれた絵本です。

ある古い家の屋根裏に、おばけが一人で住んでいました。
おばけは何年も前からそこにいましたが、おばけの存在を知る人間はいません。
なぜなら、誰かが屋根裏に来ると、おばけは透明になって隠れていたからです。
ところがある日、一人の女の子が屋根裏に来てしまいました。
そしてあろうことか、女の子は、それから毎日のように屋根裏に来るようになってしまったのです。
おばけは、女の子が来たくなくなるように色々なことをしました。
これまで通り一人でいることを、願っていたからです。
ページをめくるごとに、おばけの気持ちが変わっていくのが分かります。
おばけが本当に願っていたのは……。
タイトルが「やねうらべやのおばけ」ですし絵がモノクロなので、怖いお話だと思うかもしれません。
でも読み進めていくと……。
試しに、読んでみてください。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子17歳)
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