雪の降るクリスマスイブ、サンタクロースを信じる僕のもとに現れたのはま真っ白な蒸気に包まれた汽車、急行「北極号」。その不思議な汽車に乗り込むと、車内は僕みたいなパジャマ姿の子どもたちでいっぱいだった。こうして、「北極号」の幻想的な旅が始まった。 冷え冷えとした暗い森を抜け、月をかすめそうなほどの高い山を越えて汽車は北へ北へと進み、到着した所は北極点。そこではクリスマスのおもちゃが全部作られている。そして、サンタクロースから選ばれた一人の子どもが「クリスマスプレゼントの第一号」を手渡されるという……。
鬼才オールズバーグのクリスマス絵本。サンタクロースを信じる少年の奇跡が北極点の町に繰り広げられます。パステルで描かれた幻想的な光景は、抑えた色調であるにもかかわらず美しく輝いていて息をのむほどです。北極号のライト、狼の森、月夜の山肌、北極点の町灯りなど、イラストの神秘的な陰影の存在は、作品の静けさをさらに深めています。 小人たちで湧く北極点の町は、子どもたちの夢の結晶かもしれません。凍てつく空気の中に見えるぼうっとした灯りは心に染み入り、そりの上から見下ろす町の風景はクリスマス気分を掻き立てます。 少年がサンタクロースからもらった小さな鈴は、何を象徴するのでしょう。この鈴の音がいつまでも聞こえるようでありたい……とは誰もが願わずにはいられないことですね。作者のメッセージは、最終ページの銀の鈴にひっそりと寄り添っています。1986年米国コルデコット賞受賞作品。 ――(ブラウンあすか)
クリスマス前夜、サンタを信じる子だけが体験する不思議な旅を描いた絵本。コルデコット賞受賞作。 サンタクロースを待つ僕のもとに現れたのは白い蒸気に包まれた汽車、急行「北極号」。僕はその謎めいた汽車に乗り込み、クリスマス前夜の幻想的な旅が始まる。森を抜け荒地を抜け、山を越えて汽車は北へ北へと進み…。
子供のころは確かにサンタクロースはいると信じていた。
いつだったかな「サンタクロースはいないんだよ」って言ったのは。
自分の子供もサンタクロースがいないといったのは幼稚園の時だったから、そのころかな。
サンタクロースと小人たちがいる街北極点。
その北極点に子供たちを連れて行ってくれる急行北極号。
そしてプレゼントの第一号に選ばれるぼく。
サンタを信じる子供たちにはまるで夢のような出来事ですよね。
そしてプレゼントに選んだのはトナカイの首についた銀の鈴。
高価なおもちゃではないところがいいですね。
ぼくにとって待ち遠しく、そして大切なもの。
私も幼い時には信じていた大切なもの。
あのころのまま持ち続けていたら、私も急行北極号に乗れたかもしれない。
サンタクロースが来るのを心待ちにしていたあのドキドキ感はもう味わうことはないんだな。嘘だとしても信じていたほうが素敵なことってあるんだよね。そしてそれを心から信じることはもっと素敵。
読み聞かせにも使いました。
もうサンタクロースなんて信じていない5年生。
でもこの本を聞いて昔のドキドキ感を少しは思い出してくれたかなぁ。
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読み聞かせに使った学年:5年生
子供の反応:★★★★☆
所要時間:12分程度 (きよぴこさん 30代・ママ 男の子11歳、男の子9歳)
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