
わたしはプリンセス・ジージー。わたしの王国、それはアフリカの空と土ぼこりのたつ大地。でも、そこに水はない。だからわたしは、朝はやくおきて、ずっとずっととおくまで水をくみにいく。いつの日か、わたしの王国に、つめたくてきれいな水があるといいな。いつの日か、きっと。
アフリカの、ある水くみ少女の一日を描いた絵本です。もとになる話をしてくれたのは、スーパーモデルのジョージー・バディエルさんです。ジョージーは、有名なファッションショーや、雑誌のモデルとして、世界中で活躍しています。 ジョージーは、西アフリカのブルキナファソで生まれました。子どものころ、水くみをした経験があり、水がどんなに大切か、よくわかっています。ジョージーは、いまアフリカで井戸をつくる運動をしています。ひとりでも多くの人が、きれいな水を手に入れられるように、プリンセス・ジージーの夢みた王国が、ほんとうになりますようにと。

人を形作る黒い線、夜空の紺色、日中の乾燥した空気感、大地の茶色・・・。魅力的な絵で、女の子とその日常が描かれています。身近に水がない暮らし、生きるために遠いところまでの水汲み。
今住んでいる日本で目の前のことだけを見ていたら知ることのない世界が、絵本の中に広がっています。アフガニスタンで用水路の建設に尽力された中村哲医師の活動とも繋がります。
水の問題、まずは知ることから。学校の読み聞かせの時間などに読まれたらいいなと思います。
ピーター・H・レイノルズさんは好きな絵本作家さんです。他の絵本もオススメです♪ (なみ@えほんさん 60代・その他の方 )
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