
雷がゴロゴロ鳴っている。地震がきてぐらぐら揺れている。 風がびゅうびゅう吹いてきて……。
ああ、どうしよう。 自分たちの力ではどうにもならないことが起きた時。 とっても怖いし、とっても不安。 私は臆病だから。
でもね、あなただけじゃないよ。 大人だって不安だし、昔の人だってずっと怖いと思ってきた。 あたりまえだよね。 だからこそ、こんなおまじないが伝わっているんだって。
「くわばら くわばら」 「まじゃらく まじゃらく」 「とーしー とーしー」
なんだか不思議な言葉。どんな意味があるんだろう。じゃあ、今みたいに病気になるのが怖かったり、説明できないけど嫌な事があったときには、どんなおまじないがあるの……?
表面上はわからなかったとしても、子どもたちをじわじわと苦しめるのは「不安な心」、そして「臆病で怖がりな心」。これを克服するのは難しい。だって、驚くことに大人になってもその心はなくならないのですから。この絵本の作者中脇初枝さんも、絵を描かれているあずみ虫さんもそう。そんなお二人が子どもたちの心に寄り添い、はげましてくれる絵本をつくってくれました。
心が落ち着くおまじない。
「つるかめ つるかめ」
繰り返し声に出して読んでおけば、いつか助けになってくれる日があるかもしれない。勇気をもらえるかもしれない。そんな願いをこめて読んでくださいね。巻末にはおまじないの意味や由来も収められていますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

不安な世の中を生きる子どもたちへ。
自分の力ではどうしようもないことが起こったとき、むかしの人たちは、おまじないを唱えて乗りこえてきました。おくびょうで、こわがりは、あたりまえ!ずっとむかしから、だれでもどきどきしたり、こわくなったりしたからこそ、このようなおまじないが伝えられてきたのです。

どこかで聞いたことがあるようなおまじない集という印象です。
「くわばら くわばら」「まじゃらく まじゃらく」「とーしー とーしー」
「ちちんぷいぷいちちんぷい いたいのいたいのとんでいけ」
「そみんしょうらいのしそんなり」「つるかめ つるかめ」
「だいじょうぶ」
アルミ板をカットした独特のコラージュの絵が、その使い方をナビゲートしてくれます。
自分の力ではどうしようもない時、古来唱えられてきたおまじない。
多くの体験をくぐり抜けた言葉だからこその言霊を感じます。
だからこそ、幼稚園児くらいから、目と耳で感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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