
寝る前にお母さんに恐竜の本を読んでもらう男の子。でも、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、お母さんはお話の途中で行ってしまいます。「つまんないの」。部屋の電気はついたままです。
そこで、男の子は飼猫のミーコと一緒に布団にもぐって、ほら穴探検ごっこを始めます。ところが、進んでも進んでも布団の端っこにたどり着きません。すると、気が付けばそこは大好きな恐竜の世界! 草食恐竜が肉食恐竜に襲われているところに出くわします。はぐれてしまったランベオサウルスの子どもを見つけた男の子は、一緒にお母さんを探してあげることにします。
ページをめくるたびに登場する様々な生き物。ここでは夜も多くの生き物が活動しています。恐竜だけでなく、小さな動物や虫もたくさんいます。単独で行動するもの、群れで行動するもの、親子、カップル。草木や生き物の匂いまでしてくるようです。遠くには、徐々に赤みを増していく火山も見えます(大丈夫でしょうか?)作者であるまつおかたつひでさんの描く生き生きとした生き物たちの夜の暮らし、そっとのぞいてみませんか。
名前がわからない恐竜は、見返しのイラストから探してみてくださいね。 それぞれに登場するページ番号が書かれているので、すぐに見つかりますよ。
(近野明日花 絵本ナビライター)

おやすみ前、ぼくはお母さんに本を読んでもらうんだ。でもあかちゃんの泣き声が聞こえてきて、お母さんは出ていっちゃった。「つまんないの」ぼくは、ベッドの中にもぐってほらあなたんけんすることにした。進んでいくと、何とそこは大好きな恐竜のせかい。肉食竜ティラノサウルスにおわれて迷子になったランベオサウルスの子・ベオと出会ったぼくは、ベオのお母さんをさがす旅に出る。

生き物の作品で一目置いている松岡達英さんが、恐竜もの!?と惹かれました。
寝る前の絵本もそこそこに、赤ちゃんの世話に行ってしまったお母さんに未練の残る主人公ですが、
だからこそ、こんな素敵な体験ができるのですね。
主人公の恐竜好きは、そこここから感じられます。
出会った恐竜たちを、草食、肉食と識別でき、
はぐれた子ども恐竜の種別もちゃんとわかっている博学ぶりに脱帽です。
恐竜の造形も素敵ですし、そっと描かれた昆虫や生き物も本領発揮です。
火山の様子も、古代の地球を体感できますね。
幼稚園児くらいから、生き物の世界を堪能してほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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