
ポターの語る少女とオオカミと赤いフードのお話は、シャルル・ペローのオリジナル・フランス版により近い結末。一度、オオカミに食べられてしまったらもう二度と…。イギリスの田舎の風景、オクセンバリーの描く挿絵が美しい。

いつもマイルドなオクセンバリーさんとしては珍しく、ブラックな作品へのチャレンジです。
「赤ずきん」という、よく知っている作品への先入観を見事に裏切るビアトリクス・ポターの再話作品を見て、ちょっと悪魔心が目覚めたということでしょうか。
オクセンバリーさんの絵でなかったら、目を背けるような残酷テイストなお話です。
「赤ずきんちゃんを見た人はいません」という、人の目の届かない不安さが二回出てきます。
「赤ずきんの最後でした」という悲惨で話が終わります。
まるで現代の闇を描いているようでした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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