
はるちゃんが、棒を二本持って地面にかいているのは「みち」です。どんどんつくっていきます。すると、あら大変。みちがひとりでに伸びていくではありませんか。
「こらー、まてー!」
はるちゃんがみちを辿って追いかけていく途中、目に入ってくるのは、へんこてなパンやさんにジュースやさん。でも、とても美味しそう。一息ついて両方味わうはるちゃんの先で、みちはどんどん伸びていきます。
「まてまてー!」
更に追いかけるみちの、その先に待っていたのは、昼寝をしている大きな大きなわにで……。
よく知っているようで、ちょっぴり不思議な景色。目の前の困難に全力で立ち向かいながら、なんだか楽しそうに突破していくはるちゃん。いったい、ここはどんな世界なんだろうと、疑問がわく頃、大好きなママの声が聞こえてきます。
「はるちゃーん、かえる時間ですよー」
作者のさいとうしのぶさんが、姪っ子さんと公園で遊んでいた時の様子をヒントに、生まれたというこのお話。絵本の中で上手に遊ぶはるちゃんには、モデルがいたのですね。日常と空想のはざまに生まれる時間の描き方が絶妙!子どもだけでなく、大人だってあっという間に心をくすぐられてしまうのです。とっても愛らしく、最高に楽しい絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

はるちゃんが、公園の地面に棒で道を描いています。すると、道がひとりでにのびていきました。「こら、待てー」はるちゃんが追いかけていくと、道の先では小鳥やネコがお店を開いていました。川ではワニが昼寝。サルが番台にいる温泉も。――それは、公園の施設や動物たちから空想した世界。

子供の遊びって、想像力がすごいなぁと感心する一冊。
うちの姉妹も、ごっこ遊びをしている時は本当にその役になりきっていて、大人が演じるのとは全然違うリアルさがあるんですが、
この絵本で、はるちゃんのかいた道がどんどん伸びて見えてくる景色を見ていたら、
子供たちにしか見えない世界があるのかなぁと思ってしまいますね。
微笑ましいお話でした。 (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
|