「さあ、あさだ。おなかがすいた。あさごはん!!」
お米をあらって、炊飯器でスイッチオン。その間におみそ汁。お湯を沸かして、材料切って、出汁も忘れずに、まとめてぐつぐつ。主役のしゃけにお塩をひとつまみ。フライパンでじゅーじゅーじゅー。お鍋ぐつぐつぐつ、炊飯器ごとごとごと。あちらこちらで美味しいにおいと美味しい音!
しゃけがいい感じに焼けてきたころ……ぴぴぴっぴぴぴっ。全部ほかほか、出来たて、炊きたて、おいしそう。お茶碗によそって。
「みんな! ごはんだよー!」
「武田美穂のたべもの絵本」シリーズ、待望の第4弾。『ハンバーグハンバーグ』『パパ・カレー』『オムライス ヘイ!』ときて、今度の主役は「あさごはん」。ご飯におみそ汁にしゃけがあって、なんだか今までより大変そう? いえいえ、そんなことはありません。大事なのは段取りとリズム。ぶつぶつ言いながら作っているうちに、心も体も元気になってきて、すっかり目が覚めた頃に食卓を囲んで「いただきます!」。これなら毎朝いいスタートがきれそうです。
武田美穂さんの手にかかれば、お料理だって、洗いものだって、炊飯器でさえも、全部がエンターテイメント。湯気の演出だって効果的。あとは気持ちを乗せるだけ。このおいしいおいしい絵本シリーズが、作る人のことも食べる人のことも応援してくれますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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