
ヤギの郵便屋さんがせっせとお仕事、お手紙もらったリスやウサギは、みんなうれしくておおよろこび!そんな様子をうかがうオオカミのギロン、うらやましくってしかたない。
おれだって、おてがみほしいぞ!
でもギロンには、ともだちがいない。オオカミのギロンを見るだけで、ウサギもヤギもガクガク、ブルブル。だからギロンはいままで一度も、手紙をもらったことがない……。
機嫌が悪いとキバをむきだし、おおきな声でどなったかと思えば、手紙をもらえないさみしさに、シュンと弱々しくうなだれる。みんなから怖がられているけど、とてもすなおで、ちょっぴりさみしがりなギロンの、愛らしいキャラクターがみどころです。
そんなギロンが、生まれてはじめての手紙をもらうために奮闘!
自分から手紙を書けば返事がもらえると知ったギロンは、さっそくペンを手に取ります。ところが、ともだちも、家族も、親戚もいないギロンには、手紙を書く相手がだれもいません。そこでギロンは、すごいアイデアを思いつきます!
そうだ! 自分に宛てて、手紙を書こう!
自分で自分に手紙を書くのは、なんともおかしな気分。なかなかうまくいきませんが、なんとか書きあげた一通を、ワクワクしながらポストに入れます。
ところが、待てども待てども手紙は届きません。自分から自分へと届くはずの手紙が、いったいどこへいったというのでしょう? 消えた手紙を待つうちに、思いもよらない出会いがあって──?
言葉や名前を通じて、人とわかりあう。そんなあたたかさとワクワクに、あらためて気づかせてくれます。
(堀井拓馬 小説家)

オオカミのギロンが魚つりをしていると、郵便屋のヤギが配達をしていました。手紙を受け取った動物たちは大喜び。ギロンは手紙がほしくてたまりません。「手紙を出せば手紙をもらえる」とキツネに聞いたギロン。ところが手紙を出す相手がいません。「そうだ!自分に書けばいいんだ!」手紙をポストに入れたギロンは届くのを待ちますが、手紙は届きません。ヤギを問い詰めると…?あっと驚きラストは心温まる幼年童話です。

まず、イラストに味があってとてもストーリーに合っています。
オオカミの話と言うと、ミロマチコさんの絵も思い出すので、彼女の絵でも見てみたいとは思いますが。
うちの子供も、お手紙を書いたりもらったりするのが大好きです。
このオオカミさんの気持ち、すごくわかったのじゃないかな。
ヤギさん、勇気を出して本当のことをオオカミに伝えることができてえらいぞ!とも思いました。
おてがみが、どんなに大事なものかよくわかっているからこそのこの展開。
でも、封筒をあまり鼻に近づけないほうがいいと思うよ。 (だっこらっこさん 40代・ママ 女の子7歳)
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