ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、今日もお勉強しにてくてく出かけます。
ところが、途中でワニが現れて、ノーマンのかばんにかみついて離れません。
「ワニなど すんでおらん」
遅刻したジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、先生に反省文を書かされます。
次の日はもっと大変。ライオンがジョンのズボンをやぶいてしまいます。
「そんなものはおらん」
ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは、先生にうそをつかないと唱えさせられます。
今日こそは…でも高潮がきてジョンをさらっていこうとするのです。
なかなか時間通りに行けないジョンは、今日も先生に怒られます。
なんだか夢を見ているようです。
子どもの頃、やらなくちゃ、やらなくちゃ、と思うと全く上手くいかなくなる。
そんな夢をよく見たものです。
ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーにふりかかる災難の数々。それは本当に一大事なことばかり。詳しく聞いてみなければいけません。いや、聞いてみたくなる出来事ばかりです。でも、先生は一切耳をかしません。もったいないことです。
先生にだって、一大事が起こることはあります。でも、もう興味ないよね。ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーが本当に知りたいことは、もっと別のことなんですから。
遅刻、と聞くとちょっとかしこまってしまう方も多いかもしれません。でも声に出して読んでみれば、これは実に痛快なユーモア絵本なのです。子どもたちは、笑いながらこの物語を楽しみますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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