|
自然界の生き物は、食べたり食べられたりして互いに密接につながっています。このつながりを食物連鎖といいます。この絵本では、食物連鎖について、自分たちが食事をすることを通して、地球上のいろいろな生き物とつながっているということをやさしい文と絵で描いています。読者のみなさんも、自分の食べたものがどんな生き物とつながるかを、実際に絵にして考えてみましょう。
「みつけよう かがく」シリーズの一冊。
シリーズの中では、「こんちゅうって なんだ」がとても印象に残っています。
この作品は、食物連鎖を描いたもの。
物語は、
「いもむしが りんごの はっぱを たべています」
という文章で始まります。
はっぱ→いもむし→みそさざい→たかという図式なのですが、ちょっと違和感がありました。
食物連鎖って言うと、最終があるのではなくて、この例でいけば、たかが死ぬとそれが土に還って植物の栄養素になるという図式で習ったはず。
その後も、同じように例が沢山登場するのですが、最終で終わりという図式となっているので、本来の食物連鎖という意味合いからすると、片手落ちのような気がしました。
それでも、この絵の図解はとても分かりやすいもの。
たかの断面図があって、たかの中にみそさざいがいて、みそさざいの中にいもむしがいて、その中にはっぱがあるという図式は、「たかにも はっぱが ひつようです」という文章を上手く表現していると思います。
また、アメリカ西海岸のケルプの有名な話も登場します。
ここで言うケルプとは、アメリカ・カリフォルニア州中部からメキシコ北部の太平洋岸に生息する褐藻類の海藻で、世界一長くなる海藻として有名なジャイアントケルプのこと。
全長は約50mにもなるというから驚きです。
その生態系は、ケルプ→うに→ラッコというもの。
ところが、人間がラッコを捕獲し過ぎたため、うにが繁殖し、ケルプを食べ尽くしてしまったという話です。
とても分かり易い話で、人間の所業を諭してくれる側面もあるかと思いました。
文章は長いですが、小学校入学前のお子さんでも理解できる内容です。
親子ともども、考える絵本としてオススメします。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
|