
まどさんは、赤ちゃんとお母さんのいい詩をたくさん書きました。この詩集の初めに「おかあさん」という詩があります。
おかあさんは ぼくを 一ばんすき!
ぼくは おかあさんを 一ばん すき!
かぜ ふけ びょうびょう あめ ふれ じゃんじゃか
おしまいは「にじ」という詩。
にじ にじ にじ
ママ あの ちょうど したに すわって あかちゃんに おっぱい あげて
まどさんの詩を声に出して読むとお母さんはやさしい気持ちになります。そのお母さんの声が赤ちゃんに届いて、草木を潤す 春の雨のように、赤ちゃんの心をやさしく育むのです。まどさんの千を超える詩のどれにも、太い根っこがあります。 それは「この世界(宇宙)にあるすべてのものは[自分が自分であることの喜び]に満ちあふれている」というものです。 詩の底には、いつも愛があり真実があります。 これまでにまどさんが 赤ちゃんとお母さんへむけて書いた珠玉の詩が61篇収録されています。

まどさんが亡くなられて改めてまどさんの詩を読み返してみたいと思った時『赤ちゃんとお母さん』という詩集を見つけました。
田中和雄さんが書かれたまえがきには「いい詩を読むと、お母さんはやさしい気持ちになります。いのちへのいとおしみの心も引きだされてきます。そのお母さんの声が、赤ちゃんの心に届くのです」とあります。
その言葉を読んで、まだ息子が赤ちゃんだった頃、本を読む時間がなかなかとれなくて、でも活字は読みたいというので短い時間でも読むことができる詩集を好んで読んでいたことを思い出しました。
この詩集の冒頭に収められている「おかあさん」という詩、ぼくもおかあさんも相思相愛であることが短い言葉の中に凝縮されています。
まどさんの詩を読むといつも感じられるのは、生きとし生けるものすべてへの優しいまなざし、生きることへの肯定感です。
一つひとつの詩を読みながら、赤ちゃんとお母さんの優しいいい時間を過ごして下さるご家庭が増えたらいいなあという思いでした。
出産祝いに贈っても喜ばれそうな詩集です。
育児中の心の栄養にいかがでしょうか。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子12歳)
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