保育園のへやのすみ。
ひとりぼっちで立っているのは?
コッコさんです。
コッコさんは、なかなかみんなと遊べません。
お庭に出ても、やっぱりみんなと遊べません。
「ふたりずつ てを つなぎましょ」
さあ困りました、コッコさん。
誰と手をつなげばいいんでしょう。
でも、ごらんなさい。あそこにもひとりぼっちで立っている子がいますよ……。
なかなか上手にみんなの輪の中に入れなかったコッコさんが、同じようにもじもじしているアミちゃんに出会い、少しずつみんなと遊べるようになるまでのお話。春になればよく見る光景、だけどコッコさんは自分かな、それとも隣でもじもじしているあの子かな、そんな風に読んでみると、みるみる絵が動き出し、まわりのみんなの声まで聞こえてくるのです。
片山健さんが描くのは、小さな女の子の繊細で可愛らしい心情。ささいな出来事だけれど、それはとっても魅力的。なぜなら本人たちにとっては、決してささいな話ではないからですよね。「うれしい」気持ちが伝わってきます。コッコさんの他のお話はシリーズで読むことができますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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