
あるところに、貧しいくつやが、ねこといっしょに暮らしていました。 くつやは、とてもうでのよい職人でしたが、お客はさっぱりきません。 途方にくれるくつやに、ねこはいいました。 「よい考えがあります。わたしに、いちばんよい革で長ぐつをつくってください」 さて、ねこはどうするつもりなのでしょうか。
古典「長靴をはいた猫」を、若手絵本作家、今井彩乃が新しくアレンジ。 2009年のボローニャ絵本原画展でも、ひときわ人気の高かった作品です。 愛らしい猫の表情にご注目ください。

難百年も昔から語り継がれてきたお話のような、味わい深い絵本です。
つぶれそうな靴屋さんを救う賢いねこのお話。
魔物とやりとりする場面は、「三枚のお札」の、お坊さんと山姥の知恵比べのように巧みで、ねこが魔物を食べる場面は、ちょっと生々しく(お皿に赤い点々は血を連想させますが、調味料がこぼれただけかしら?おぉ怖い)、最後に、靴屋に並ぶ大小さまざまな靴に隠されたこれまでのお話と、何もしらない村人の平和な様子とのギャップが、読者をゾクゾクさせる、とても魅力的なお話です!! (ハリボーさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子5歳)
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