ころんと太って、体は真っ白のしろぶたくん。そんなにいそいでどこへいくの?
しろぶたくんが見つけたのは、美味しそうなきれいなりんご。
「いただきまーす」
ペロリと食べ終わったしろぶたくんのおなかには…きれいな赤い色!
今度はレモンをペロリ。まだまだお腹の空いているしろぶたくんは、更に大きなメロンもぶどうもペロリ。
するとおなかには、どんどんきれいな色が並んでいきます。
おや、今度見つけたのは…せっけん。しろぶたくん、それ食べちゃうの!?
1978年の発売以降、35年以上も子どもたちに愛され続けてきたこちらの絵本。
読んでみれば人気の理由はすぐにわかります。
話しかけられているような優しい言葉にのって、お話はリズミカルにすすんでいきます。
ぱっと見ればシンプルな絵。でも、ページをめくっていくと、その鮮やかな色が大きく目に飛び込んできます。
何よりしろぶたくんの表情が可愛くて、くだものがとっても美味しそう!
そして、せっけんを食べた後のしろぶたくんの愛らしいこと。
何でもやってみないとわからないものね。すっかり絵本の世界に夢中になってしまいます。
もう一つの大きな魅力は、子どもたちの想像する隙間を作者のお二人がたっぷりと作ってくれていること。絵本を読みながら、子どもたちの頭の中にはたべもののこと、きれいな色のこと、ぶたくんたちの体の模様のこと、せっけんのこと(!?)など、みんな自由に思い描きはじめているはず。それはきっと、読むたびに違う内容になって。だから、何度でも読みたくなっちゃうのでしょうね。
そんなところにも、作者の子どもたちへ対する優しい眼差しが感じられるのです。
お気に入りの絵本のひとつに加えてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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