
「生きることは、死ぬまでのひまつぶし」 『100万回生きたねこ』の佐野洋子 最後の肉声
佐野洋子V.S.サイバラ。 一見異色の組み合わせですが、世代は違えど怒涛の人生を歩んできたふたりです。お互い著作物を通して関心を抱きつつ、初対面で突入した対談は、「生きる」ということの意味を、ここまで語るか! というほどの濃厚なトークに。 いっぽうリリー・フランキーさんとは、ともに母を送った“子”としての、整理された気持ちが静かに語られています。 どちらにも共通するのは、肉親の死、出会いと別れ、仕事でのたたかい...。涙と爆笑なしでは読むことができない、老若男女必読の1冊です。
■担当編集者の打ちあけ話 2007年、絵本『100万回生きたねこ』刊行30周年として企画した、佐野洋子&西原理恵子の対談を軸に、2009年のリリー・フランキーとの対談を加えて1冊の本にまとめました。未発表の原稿です。奇しくも追悼の刊行となってしまいました。 ページをめくると、佐野さんが亡くなった今、その一言一言が、音声となって、いきいきと蘇ってきます。西原さんと、リリーさんは、イラストでこの本をまとめてくださったともいえます。巻末のリリーさんの原稿が、佐野さんのこの世での不在を伝えていますが、力のある言葉の数々は、いつまでも読む人の心にとどまることと思います。(チ)

沢山の絵本を読んでいますが
作者さんがどのような方なのか絵本からはわかりません。
この本を読み佐野洋子さんというお人の
生涯をお聞きすることができました。
対談集なのでまるでこの対談の中に自分がいるかのようでした。
絵のプロであり言葉の使い手でもあるので
言葉をたくみに操っていて本当に素敵なお話でした。
また佐野さんはとても豊かな人生を送られています。
幼少のころのお母様との確執、そして介護。
男の話、金の話。結婚と離婚。
そして息子さんへの愛。最後は闘病生活。
留学の話も印象に残っています。
絵本の話は金の話の部分でほんの一瞬です。
一見、紆余曲折な人生ですが
読み終える頃には佐野さんの満足したお顔が目に浮かびました。
いま私は佐野さんの人生感への憧れと
尊敬の気持ちが芽生えた感じがしています。
そして最後のリリーさんのお手紙を読んで
笑顔で泣き、佐野さんとお別れをしました。 (事務員さん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
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