あしたは楽しいクリスマス。
でも、ぼくは心配でねむれない。
だって、サンタさんは「いいこ」にしか来ないんだもん。
ぼくは……
ちょっぴり不安な夜を過ごすぼくのところにやってきたのは、「よるくま」。
夜みたいに黒くて、胸にはお月さまがひかっている、ぼくの可愛いともだち。
だけど、よるくまはサンタさんを知らないって言うのです。
「おかしいな、クマの子にはサンタさん、こないのかな」
そこで、ぼくはよるくまにサンタさんのかわりになることを思いつきます。
クリスマスツリーの飾りの中から、彼が選んだのは、おうちと、ちいさなイエスさま。
それからひこうきも。よるくまに手渡したその瞬間、あたりが真っ暗になり。
よるくまとぼくが一緒に過ごす、ふしぎで素敵な夜の時間。
そこにはあるのは優しさと、甘さと、あたたかさと……
あ、ぼくがもどりたい場所は!
酒井駒子さんが描く、愛らしく繊細なぼくとよるくまの交流。クリスマスの飾りや夜の風景の美しさ。それらも相まって、読み終われば、とっても幸せな気持ちになって、安心して眠りにつけるのです。クリスマスの夜、親子で一緒に読んでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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