
ひと目見てもらえれば、この絵本に説明は不要でしょう。これぞ絵本の醍醐味。なんて不思議な美しい絵。そしてすこし怖いような。 カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスの絵は眠りと目覚めの間の、夢と現実の間の不確かな時間から生まれる不思議な世界が描かれています。リアルなのがかえって現実離れしているような? なかなか眠れない時に夢の映像が混ざってきたり、目覚める瞬間に夢か現実かわからないという経験は誰しもあると思います。が、何だかそんな説明じゃ伝わらない感じ・・・。 そして、そんな絵に想像力を刺激されたのが詩人のセーラ・L・トムソン。更に想像の世界が広がっていく様な詩を一枚一枚に添えて出来上がったのがこの絵本なのです。 雪が降り積もる静かな夜、外は真っ白な銀世界。誰の足跡もない真っ白な雪はふわふわで暖かそう・・・と思うと雪が四角にしきられてそのうちのひとつが布団になっていて、男の子がぐっすり寝込んでいて・・・。なんて裏表紙の絵を見たら中をめくらない人はいない!でしょう。 夢も経験に違いないので現実だ、としたら、この絵本を見た経験も現実になっていく子達もいるのでは。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

カナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスがえがく、眠りとめざめのあいだの時間。 想像力にみちたイラストレーションが、見るものを奇妙な世界にさそいこむ。

とにかく表紙に惹きつけられました。
そして、どのページも、なんとも説明のしがたい、ずーっと見ていたいような不思議な魔力のような魅力があります。
だまし絵でもあるのですが、それだけではない、深くて静かな世界です。
画集的な感じもしますが、これも一種の絵本という形のメディアの魅力ですね。
面白いです。
他に『真昼の夢』『どこでもない場所』があります。 (ゆかりんこんさん 50代・その他の方 )
|