
詩だけでなく、幅広く創作活動を続けられている谷川俊太郎さん。 中でも、数々の魅力的な絵本を生み出してこられているのは、ご周知の通り。 「きもち」は、1970年代に出された月刊誌「かがくのとも」で刊行された絵本の復刊です。 谷川さんが投げかけたテーマ、「いろんなきもち」。 そのテーマを受けた長新太さんが、それぞれの状況で変わっていくボクの「きもち」を、 絵で描く事によってたっぷりと語ってくれています。その表情を見ているだけで、嬉しくなったり、 幼い頃を思い出したり、胸が締め付けられる様な思いがしたり・・・
自分の中に生まれては消える色々な「きもち」の事を考える。 ひとの「きもち」との違いを考える。
この二つだけで、子ども達はどれだけ大きな成長を遂げるでしょうか。 説明なんかなくたって、ちゃんと自分で絵本から学びとっていくのでしょう。 見事!とうなってしまうような絵本ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

お母さんに会ったときの気持ち、注射をされるときの気持ち、子どもたちの生活の中で、生まれては消えていく様々な気持ちが描かれています。どんな気持ちかな? 絵を見て話してみましょう。

まさしく絵が力強く語る「絵」本でした。
絵を見るだけで、コトバにするまでもない(コトバにする必要のない?)「気持ち」だけが浮かんでは消える。。。
絵に見入って、次々ページを繰るうちに、出会うコトバ「いろんなきもちがうまれてはきえ/きえてはうまれる」
ハッとしました。
そう、キモチは、次々と変わっていくもの。
場面場面の、この絵本の絵のように、絵巻物のように。
そのつど変わっていく気持ちに、リアルタイムで、いつも敏感でいたいと思いました。
子ども達の気持ちに。
自分自身の気持ちに。
そしてまた、ひとつのきもちにとらわれることもよくないことに、気づかされました。
子どもの感覚は、子どもだからこそ、持てる感覚もあって、その感覚があればこその、次々めまぐるしくうつりゆく「きもち」
うっかり、ついつい忘れていた、忘れてはならないことを、「絵」本のチカラと、谷川さんの天才的なコトバで、教えてもらった一冊でした。 (ポピンズさん 30代・ママ 女の子8歳、男の子3歳、男の子0歳)
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