
毎月読みたい、季節にぴったりの童話たち――シリーズ「おはなし12か月」
現代を代表する一流童話作家の書きおろし。 物語の楽しさを味わいながら、日本の豊かな季節感にふれることができます。 上質なイラストもたっぷり。低学年から、ひとりで読めます。 巻末の「まめちしき」で、行事の背景についての知識が高まります。
それは節分の夜のことです。 空にはまあるいお月さまがのぼり、朝からふりつづいた雪のせいで、地面は白いきぬをはったようになめらかでした。 豆まきの声もやみ、町はもう、ねしずまっています。雪につつまれたしずかな町を、青白い月の光が、ゆめのようにかがやかせていました。 「鬼ごっこするもん、この指とまれ。鬼ごっこするもん、よっといで。」 どこかで、だれかが歌っています。ケイタは、ゆめの中で、その歌を聞いて目がさめました。 ――<本文冒頭より>
節分の夜、呼びかけに引きよせられて指にとまったケイタは、「鬼ごっこ」をするはめに。 ちょっとふしぎで、すごくたのしい、とっておきの節分のおはなし!

創作童話ですが「春は内、冬は外」というかけ声に、妙に納得してしまいました。
節分の豆まきは、春の訪れへの祈りも込められているのでしょうか。
年に一度、鬼が「主役」になれる日です。
鬼からすれば晴れの舞台かも知れまぜん。
鬼ごっこも鬼がいないと始まらない遊びですが、物語の発想が良かったと思います。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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