ある日、めんどりが昼寝をしていると、とり小屋の中へ黒い手がのびてきて…。
あっという間に、藁の敷きものごと、めんどりをひょいと持ち上げ、駆け出した!
それは、ぬすっとぎつねでした。家に帰り、さっそく料理の本を広げるきつね。
ちょうどめんどりからひよこが一羽生まれ、「かあさん、ぼくたちたべられちゃうの?」と聞きます。
「そんなことはさせないよ。かあさんにいいかんがえがあるわ」とめんどりがこたえます。
さて、ローストチキンを作ろうと決めて、ふりむいたきつねはびっくりぎょうてん。
めんどりが小さなひよこに変わってる!? これじゃあ丸焼きはできません。
藁に隠れためんどりは、ひよこがしゃべっているふりをして、「わたしはちょっとかわっためんどりでしてね。おとなのすがたでうまれて、だんだんこどもになっていくんです」なんて言うんです。
きつねは「そんなばかなことがあるか」と思いながら、だまされてしまいます…!?
めんどりにすっかり振り回されて、舌なめずりをしたり、びっくりしたり怒ったり、くるくる変わるきつねの表情が楽しい!
そして、とぼけためんどりの表情が、かわいくておかしい!
「母は強し!」とつぶやきたくなるストーリーを親子で楽しんでくださいね。
ページからはみ出しそうな勢いで、いきいきと色あざやかに描かれる動物たちが素敵。
きつねを撃退するめんどりかあさんの姿に、なんだか気持ちが明るくなっちゃう絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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