著作集・第3巻刊行!
西ドイツに渡った花田は帰国後、社会哲学者ハーバーマスの
思想の核心を「公共圏」という日本語で紹介した。
その言葉を、市民社会を創り出すための
「闘う言葉」として育てて行くことにしたのである。
そして、ジャーナリストにこう呼びかける。
「あなたたちは公共圏の耕作者である」と。
花田自身の文の抗争を支えた思想の拠点がここにある。
解題:佐藤健二(東京大学大学院人文社会系研究科教授)、
東島誠(立命館大学文学部教授)
花田達朗コレクション
花田達朗の仕事はジャーナリズム研究という一本の柱を通す
ことができる。
公共圏論、空間論、制度論などの研究に貢献した学徒は、
ジャーナリズムの改善を通じた豊かな市民社会の創造を追求した。
花田の筆は、日本のジャーナリストへの共感と連帯、
そして、怒りと絶望を隠さなかった。
同時にそれは、信頼を失う既成メディアと軌を一にするように、
ジャーナリズム研究を痩せ細らせていった
日本の研究者たちへも向いた。
理論と実践を通じ、ジャーナリズムに自己の宿り場を探し続けた
孤高の社会学者の40年にわたる全仕事。
花田達朗ジャーナリズムコレクション
既刊
第2巻 ジャーナリズムの実践
――主体・活動と倫理・教育2(2011〜2017年)
第1巻 ジャーナリズムの実践
――主体・活動と倫理・教育1(1994〜2010年)
続刊予定
第3巻 公共圏
――市民社会のための理論(本書)
第4巻 ジャーナリズムの空間
――制度研究へのアプローチ
第5巻 ジャーナリズムの環境条件
――メディアとテクノロジー
第6巻 ジャーナリズムと時評
第7巻 事典 補遺・索引
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