カイタは8歳の女の子。
カイタと家族は保護された動物たちを「一生の家」が見つかるまで預かるボランティアをしています。
ある日、カイタは5匹の子ネコを預かることになりました。4匹はすぐに慣れましたが、ボタンと名付けられた1匹だけはすごく臆病で隠れてばかり。そんなボタンですが、カイタが根気強く接したり、宝物の毛布を貸してあげたりすることで、少しずつ人間に慣れていきました。そして、とうとうボタンを引き取りたいという女性が見つかり、会いに来てくれることに。
女性の名前はリアさん。リアさんはボタンに「わたしたち、きっとすごくなかよしになるわね。」と話しかけます。この人なら、ただかわいがるだけじゃなくてちゃんとボタンを愛してくれるに違いない!と思える言葉に思わず、ほろり。
私が知っている子ネコたちはみんな、最初はおとなしくてもすぐに元気に走り回っていたので、子ネコってそういうものだと思っていました。でも、ボタンのように慣れるまでの時間がたくさん必要な子もいるのですね。カイタの目線、ボタンの目線、そして読者である自分の目線。それぞれの視点を意識してみると、きっと違った発見があると思います。巻末にある「考えてみよう!」と「やってみよう!」に挑戦してみるのもおすすめですよ。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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