世界的な人口増加、地球温暖化により激甚化する自然災害、民族紛争や世界情勢の悪化、エネルギー需要の高まりなどにより、世界三大穀物と呼ばれる小麦・米・トウモロコシの争奪戦が世界各地で繰り広げられている。穀物をはじめとする食料を安定的に確保することはどの国にとっても大きな重要課題であるが、日本の食料自給率は38%でしかなく、日本人が国産の農作物だけで生きてゆくのはほぼ不可能な状況だ。それゆえ、われわれ日本人は世界の食料事情がどうなっているのかを今こそ知っておく必要がある。穀物の生産国・消費国・輸入国はどこなのか、生産量や消費量はどのように推移しているのか、日本における生産量と消費量の現状はどうなっているのか…。世界情勢や異常気象が食料供給に多大な影響を与えている今日、三代穀物と大豆やじゃがいもをめぐる世界の現状を地図で分かりやすく解説する。
【監修者】
宮路 秀作(みやじ・しゅうさく)
代々木ゼミナールにて地理講師として教壇に立つ。現代世界の「なぜ?」を解き明かす授業が好評で、代々木ゼミナールで開講されるすべての地理の講座を担当。2021年4月より、日本地理学会企画専門委員会の委員に就任。「地理の面白さ」や「地理教育の重要性」を説くコラムニストとしても活躍しており、新聞に連載コラムを寄稿。2017年発行の著書『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンンド社)は大ベストセラーとなり、2017年度日本地理学会賞(社会貢献部門)を受賞した。
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