
歌が自慢でうぬぼれ屋のにわとりは、人気者の美しいバラと毎日ケンカばかり。 そんなある日、バラは切られてしまいます。 静まりかえった庭で喪失と悲しみを知ったにわとりが見たものは……
第一線で活躍するイラストレーターの初のオリジナル絵本。 レトロでカラフルな絵が印象的です。

とてもユニークでシンプルな絵に、心がほぐされるような絵本です。
幼児向けの絵本ですが、大人読みするとちょっと恥ずかしくなりました。
優越した自分でいなければ気がすまないにわとりと、自意識過剰なバラはいつも喧嘩しています。
お互いに美しさを競い合っているのです。
ある時バラは切られて家に連れて行かれます。
競う相手がいなくなった時、にわとりはどうしたでしょう。
この気持ちを多くの大人は、思い当たることがあるのではないでしょうか。
お話はここで終わりません。
バラしか見えていなかったにわとりは、まわりを見渡すのです。
ここで大人はふたつの選択肢を持つことになるでしょう。
新しいライバルを探す人と見えていなかったものを見て自分の愚かさに気づく人です。
この絵本はそんな終わり方はしません。
にわとりはまわりの花の美しさに気づくのです。
家の中で花瓶に挿されたバラは、改めてにわとりの歌声の美しさに気づくのです。
にわとりとバラの歌が溶け合う情景を思い浮かべると、とても爽やかな気持ちになりました。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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