この作品は2巻で編集されています。第1巻にあたるこちらには、
「ヘンゼルとグレーテル」
「ねことねずみがいっしょにくらせば」
「かえるの王子」
「なまくらハインツ」
「やせのリーゼル」
「シンデレラ」
「六人の家来」が入っています。
ガアク自身がなぜ今、グリム童話を最ワシタカ、その想いを綴った後書きが載せてありました。
ここを読んでから本書を読み直すと、また別の味わい方もできます。
もともとヨーロッパ各地に伝承されていた昔話をグリムが編集した「おはなし」の本質はそのままに、物語を簡略化して伝えてくれているので、とても読みやすく、理解しやすかったです。
さすがガアクだと思いました。
また、本書はあの松岡京子さんが翻訳されているので、物語に描かれている世界がよく伝わりました。
一番気に入ったのは「シンデレラ」です。
この作品では、シンデレラを助けてくれるのはハシバミの木にやってくるハトの妖精だけなので、
シンデレラは自分で髪をとかし、身体を隅々まできれいに磨き上げるんですが、その情景がギュッと凝縮させて、しかもリズミカルで楽しい文章で描かれているので、読みごたえがありました。
出来たら、小さなお子さんをお持ちの方には、この本を寝物語などにお子さんに読んであげてほしいと思います。