1000の風1000のチェロ」 ママの声

1000の風1000のチェロ 作・絵:いせひでこ
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2000年11月
ISBN:9784034351208
評価スコア 4.7
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みんなの声 総数 26
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  • 胸に響きます

    少し前に読んだ『ルリユールおじさん』が素敵だったので、
    なにも考えず、その絵本と同じ、いせさんの絵本だから、という理由で
    読みました。ずっしりきました。
    阪神淡路大震災を扱っている絵本だったのですね。
    娘には、いせさんの絵本だとは話していなかったのですが、置いて
    あるのをみつけて、「これってアカシアの木の人と同じ人が描いてる?」
    と、訊くのです。鋭いなあ。
    でもって、この絵本、娘にはよくわからないのではないかなあとも
    思いましたし、わかったとしても重いだろうなあとも思いながら読みました。
    やはりなにか、娘の心に響くものがあったようです。
    阪神淡路大震災を扱っているとはいえ、娘の中では昨年の東日本大震災
    とつながってしまったようです。
    読んだ後、しんみりと「絵本作ってあげるから」と(すぐ絵本を作る
    娘です)。ほんの2ページほどの絵本は、津波でいなくなってしまった
    人が、いつもそばにいるよ、と読み手に語りかけてくれるものでした。
    (娘は、いや、娘でなくとも、誰にとっても、だとは思いますが、あの
    津波がとても強烈な印象を残してしまったので、ことあるごとに「津波
    がきちゃったら」と口にするのです)
    もしかしたら、あの震災は(そしてきっとこの阪神淡路大震災も)、
    たくさんの、まだまだ大人にならなくていい小さな子ども達の成長を
    ずいぶんはやめることになってしまったのかもしれないなあと
    思いました。

    投稿日:2012/01/28

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  • 阪神淡路大震災を忘れない

    この絵本は、1995年の阪神淡路大震災から3年経った1998年に復興支援のために開かれた「1000人のチェロ・コンサート」を題材にしたものです。

    チェロの教室に通うぼく。そこで、ぼくは、神戸からきた女の子と出会います。2人は、ある日、大震災復興支援のチェロコンサートのことを知り、自分達もその練習に加わるのです。そこで知り合ったおじいさんとの交流もはじまります。おじいさんも神戸からきたのでした。

    そんなにひとりでがんばって、おとをださなくてもいいんだよ。
    みんなのおとをきいて、きもちがひとつになるように、かんじながらひくんだ。

    この部分を読んで、涙が出てきました。これは演奏の方法だけでなく、生き方そのものについての言葉。

    それぞれの喪失体験が演奏することで、少しずつ癒される。
    音楽には、人の心を揺さぶる大きな力があると思っています。
    特にチェロという体で包み込むようにして演奏する楽器は、大切なものを抱きしめているような感じになるのだろうと思います。

    抱きしめながらも、他の人の演奏する音に抱きしめられる…
    そして、それが1つの曲になっている。この本を読みながら、そういうイメージを持ちました。

    阪神大震災のとき、私は、妊娠8ヶ月の終わり頃でした。たくさんの命が失われる中で、産まれてくる命もある。その命を大切にしなければと思ったのでした。
    いせひでこさんの絵は、とても透明感があって、優しい雰囲気を醸し出しています。
    子どもだけでなく、大人にもお勧めできる絵本だと思います。

    投稿日:2006/04/25

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  • 震災支援コンサートを理解できないと…

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子13歳、女の子8歳

    下の子も読んだのですが、お姉ちゃんの方が興味を示していたので、お姉ちゃんの年代の方が、よりこの絵本を理解できるのかな〜。と感じました。
    実際、震災を経験していない小さな子どもに「支援コンサート」というのは、ちょっと想像しにくかったのかもしれません。
    また、チェロという楽器も町中でそう簡単にお目にかかれるものではないので、上の子や私(大人)には、こういう集まりがあったことがとても新鮮で、街頭で募金箱を掲げているボランティアの方々の姿とはまた別の感動がありました。

    いせさんのラフスケッチのようなタッチがとても素敵な絵本でした。

    投稿日:2009/02/25

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  • 復興への願い

    いせひでこ作品を読むと思い出すのは、ガブリエル・バンサンの絵本です。静かな雰囲気が似ているように思うのです。

    あとがきを読み、絵本を読み、大震災後の復興への願いがこめられたお話であることがわかりました。

    音楽は人を勇気づけますが、音楽を演奏する人の心に勇気や感動をもらえるのではないかと思いました。

    投稿日:2008/12/04

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  • イキイキしたイラスト

    いせひでこさんの絵本が私の中でブームになりつつあります。
    淡い水彩のタッチと優しいお話がなんともいえず好みなのです。
    簡単にいうとこの絵本は阪神淡路大震災の被災者の方を励まそうと開催されたチェロのコンサートの様子を描いているのですが
    スゴイ!!と思ったのは
    絵本なのに実際に音が聞こえてくるような気がするんですよ。
    しかもすごく力強くうねるようなチェロの音。
    吸い込まれてしまいそうな勢いのある素敵な絵本です。
    ただ『グレイのしっぽ』を先に読めば良かったなあと思いました。早速読みます!!

    投稿日:2007/08/04

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  • 主人公「ぼく」は いせさんご本人ですね。

    • 西の魔女さん
    • 30代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子13歳、男の子9歳

    阪神淡路大震災の復興支援コンサート前後が舞台のお話です。
    お話の中に出てくる愛犬グレイを失った主人公「ぼく」は 
    いせさんご本人ですね。
    グレイを亡くした喪失感から抜け出せなかった時期に
    この大震災は起こったようです。
    震災後間もなく いせさんは 神戸の町を訪れています。
    グレイを失った悲しみと 
    震災で多くの方が亡くなったという現実。
    心を残して逝ったであろう多くの魂を思い
    また…遺された人たちの気持ちを思うと
    とても他人事とは思えなかったのかもしれませんね。
    その後 いせさんは このコンサートにも参加されたのです。
    そんなバックグラウンドを感じながら
    この絵本を読みました。
    1000人のチェロ弾きが それぞれの思いを胸に
    心を合わせて奏でたコンサート。
    それは 震災で亡くなった方々への鎮魂歌であったのとともに
    生き残った人たちの心をも慰めるコンサートでもあったのでしょう。
    お話の中で「ぼく」の心は
    次第に慰められ 癒されていきます。
    1000人それぞれの思いが風になり 
    ひとつにまとまった時
    みんなの背中を大きく…優しく押してくれる
    爽やかな風になったように感じました。

    投稿日:2007/08/01

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  • そうとうすごい

    • ちうやかなさん
    • 40代
    • ママ
    • 北海道
    • 男の子11歳、男の子8歳

    『ルリユールおじさん』しか知らなかったけれど、
    もうかなり作品を出されているんですね。
    「日本のガブリエル・バンサン」では。(違う!?)
    エッセイなども探して読んでみたいと思いました。
    私は絵も描けないし楽器もできないので、
    せめて「受け取るこころ」は持っていたいな・・・。
    覚えておいて、冬にどこかの教室で読もう。

    投稿日:2007/07/09

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  • 人間の形をした楽器

    • たれ耳ウサギさん
    • 40代
    • ママ
    • 群馬県
    • 女の子15歳、女の子13歳、女の子11歳

    数年前、パブロ・カザルスの奏でる「鳥の歌」を聴いた時、一瞬にしてチェロという楽器の魔力に取り付かれました。深く悲しく私の心に響いたあの曲。そして不思議な力を持った楽器チェロ。

    今回、この本を読んで、なぜチェロが人の心にスーッと入り込んでくる音色を持っているのか、分かったような気がしました。

    自らもチェロを弾かれるという作者のいせさんは、あとがきの中で、こう記しています。
    「人間の形をした楽器、人間の声で歌う楽器、チェロを弾く人の姿は 私には
    人が自分の影をだきしめているようにみえてならない」

    この物語は阪神淡路大震災復興支援チャリティーの「1000人のチェロ・コンサート」へ参加した「ぼく」が同じチェロ教室の女の子、コンサートの練習で知り合ったおじいさんとの関わりを通し、成長する姿を描いています。
    自分の思いをぶつけるのではなく、それぞれ背負っているものや立場がちがっても、気持ちを一つにあわせれば、風にのって誰かにその想いが届いていく。

    本番のコンサートはさぞかし素晴らしい音色が会場に、また風にのり、震災で心身ともに傷ついた人々に響いたことでしょう。

    投稿日:2006/11/10

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  • あえて絵本で

    まだ20代の頃、大阪で阪神淡路大震災に遭いました。幸い家屋の倒壊などはありませんでしたが、ちょうど母親が海外旅行中、余震は長々と続き、ひっきりなしに自衛隊のヘリがバリバリと窓を震わせて行き来する不安な日々を過ごしました(恐いのは一日だけじゃなかったんだよ)。
    蛍が家から鑑賞できた大好きな家にはヒビがたくさん入って、ちょうど道路建設で立ち退きが問題になっていたため引っ越すことに──。

    不覚にも泣きました。泣けました。涙が出ました。
    真面目に楽器をやったことはありませんが、ひとりひとりの思いが音として重なってハーモニーをつくる瞬間は合唱経験でわかります。受け手としても感じたことがあります。
    言葉で語れない想いを外へ吐き出せる、誰かに伝えられる、わかってもらうチャンスを作れる、音楽って素晴らしいね。

    子供が理解するには難しいとは思いますが、ぜひ読んで欲しい。心の琴線になにか、ひとりひとりの物語として触れるものがあるのではなかろうかと思います。
    学級での読み聞かせなどで活躍してくれると、いいな。

    投稿日:2006/03/21

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  • いつまでもつながっていたい

    • レイラさん
    • 30代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子11歳、男の子9歳

    阪神淡路大震災から10年が過ぎました。
    いろいろな報道に接し、改めてあの日を思い返しながら
    子ども達にも伝えたいという想いでこの絵本に出会いました。
    私自身の体験は、台所で立ちすくんでしまったこと、
    夫が布団ごと長男を抱えてたんすの前を離れたこと、
    ガスが止まったことくらい。
    双方の実家では食器が割れたりたんすが倒れたりでしたが皆無事。
    ずっと何もできなかった想いでいます。
    この絵本では、知っていたけど、という少年が支援コンサートで関わる、というおはなしです。
    被災者ではなかったけど、何かできることは、という想いを
    表現した作品ではないでしょうか。
    淡い色彩がチェロのメロディーを奏でます。

    投稿日:2005/02/21

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