ハンカチがなくては、とても読めません、悲しいお話で。
涙ながらにこどもに質問されたこと
1)スーホは、お姫さまと結婚したかったの?
2)殿様はなんで、約束をやぶるの?
3)白い馬はなんで、死ななきゃいけなかったの?
4)スーホはなんで、はだしなの?
残念ながらひとつもうまく答えられない私です。
貧乏が悪いわけじゃない、悪い殿様は他にもたくさんいる、
恨みをいだいて、馬頭琴を弾けるわけもない・・・。
ページを開いた瞬間からこどもは、広い広い大草原の絵に息をのんでいました。
大きな虹、暗い闇、厳しい自然の音、
一等賞になる白い馬とスーホの、胸もスカッとするような草原の絵、
天に召される白い馬を薄墨の、風だけが包み込む部屋、
夜のとばりに、しずかに集まる人々とその天空・・・。
それに比べると、人間の波風の強いストーリーが読む人、聴く人のこころに
いや〜な不協和音を持ち込むのです。
殿様のいじわるから生まれた、悲しい悔しい切ない馬頭琴なら、きっといつまでも耳をふさいで、聞きたくはないでしょう。でも、聞き入る人はたくさんいる。
分からないことだらけで切ないです。
大きな大きな宿題を、こどもにもらった気がします。
ただひとつだけ、奥付の靴の絵は、赤羽さんの、スーホへの心づくしなのかな。
偉大な絵本に、感謝。