「まぬけのイワン」 ママの声

ミレルの「まぬけのイワン」は本国では２社から出版されており、こちらはALBATROS版の翻訳本です。もうひとつのSNDK版は内容そのものはほぼ同じですが、サイズやレイアウトが異なります。

さてお話しですが、今風で言うと「天然」なイワンは、不器用で失敗も色々するけれど、その親しみやすさで周りの人たちから愛されていくという内容です。
イワンはとても純粋で優しいんですね。
だから応援したくなってしまう。
計算も何もないイワンのありのままの生き方は、まねをしようとしてもできない、信念のようなものも感じます。

そのうえミレルの挿絵のかわいさ！
クルテクシリーズのような輪郭線を取らない描き方はより絵本らしく、やさしく、イワンの雰囲気そのもの。
それもただ可愛いだけでなく、ド派手なオンドリや４つもツノがあるカタツムリ、ヒョウ柄模様のロバ・・・
普通だったら、そんなのありえない！と思うようなミレルのオリジナルの動物たちが、自然に物語に溶け込んでいます。

繰り返し読むうちに味が出てくる、そんな絵本です。

息子が読んだ後に言った言葉です。
「イワンは自分を持っている」

まじめで、融通が利かないかもしれませんが、自分の解釈でやり遂げます。
周りから「まぬけ」と言われても、自分流を貫きます。

絵がアニメーションみたいで、子どもは好きだと思います。
でも、内容は少し大きくなってからの方が、良く分かると思います。

絵がかわいらしくて好みだったので、図書館で借りてみました。
どこかで見たことあるなあ・・・と思ったら、「イワンのばか」の幼児版だったのですね。もう一度ちゃんと「イワンのばか」を読んでみようかなあと思いました。

なかなか衝撃的なタイトルだな〜とおもって手にとってみました。
主人に忠実なイワンは、とても真面目で
言われたことをまっすぐ行動にしてしまうほど。
そんなイワンの様子をみんな、「まぬけ」なんて言いますが
おろかしいほどに生真面目なイワンに、周りの人々が
いつしか心がほだされてゆく、読んでる方にもいろいろと
考えさせられる大切な一冊です。

周りにながされて、なかなか自分を出せずに過ごしてしまいますが
この絵本を読むと、自分を見つめ直す時間を設けて
ゆったりと過ごしてみたくなります。