「ドーナツなんかいらないよ」 みんなの声

墨から墨までとことん敷き詰まれた画面いっぱいの白黒の絵です。表紙の絵ばかりか、どのページもどのページも細かい白黒の絵でいっぱいなので、ちょっと疲れてしまいました（笑）
サムは、家族と一緒に素敵なお家に住んでいて、大きな庭もあってサムには沢山の友たちがいたので、ドーナツ集めを止めて家族の元に帰って来たときには、なぜかほっとしました（笑）
ドーナツ集めも半端じゃあないので、食べてないけれどもういいかぁってお腹が膨れた気持ちになりました。「愛」が一番って思うのは一緒で、溺れたおばあさんをドーナツが命を救ったのは確かです。おばあさんが、サムがもっとドーナツを買えるように、自分のわずかな生活費をあげようと申し出たのが、おばあさんの気持ちが優しくてちょっと泣けました。断って、家に帰ったサムに、何事もなかったように、友達や愛犬の出迎えが嬉しかったです。

図書館の新刊コーナーで見つけたといって、７歳の娘が借りてきました。
画面一杯に細かく描き込まれたシュールな絵。そして所々に書かれたコメントが、いちいち面白いのです。ゴミ箱に「郵便受けではありません」とか「ここでは停車禁止。駐車のみ」の看板とか、変わってます。
娘にはその笑いのツボが分からないことも多いと思うのですが、それでも一生懸命細かく読んでいました。
表紙の見返し部分に「注意：ちゅうどくになるほんです」とありましたが、その通り。大人が夢中になってしまう本でした。

ドーナツよりも愛がいい。
わかったような、わからんような、意味不明のナンセンス絵本ですが、とてもヘビーです。
細かいカリカチュアの中に、ムシメガネでも取り出せないようなナンセンスな絵がぎっしり詰まっています。
今一つ作者の意図が測り兼ねるのですが、なんだかおもしろい絵本です。