10歳の息子と読みました。
チロルくんとりんごの木。
という題名からは想像ができなかった、
とってもしっとりとした絵本。
せかいはとってもおおきいけれど、
チロルくんはここがいちばんすき。
村での生活、自然の景色、
りんごの木、エーデルちゃん、収穫祭、
春が来て夏がきて、秋がきて冬がきて、
大好きな村で毎日を大事に生きているチロルくんの生活が、
しっとりとした絵と、詩のような文章で描かれています。
あれもほしいこれもほしい、
あれもしたいこれもしたい、
あそこにいきたいここにいきたい。
便利で恵まれた生活をして、家の周りにコンビニもたくさんあって、
スマホをあければネットで買い物までできて、
でももっともっと、もっともっと!思っている私たちに、
「ちょっと待って!」と、呼びかけているようでもあります。
窓の外を見つめる、
チロルくんとエーデルちゃんの幸せそうな後ろすがた。
見ているだけでほっこりしますね。
なんでもない毎日を幸せに思うことが本当に幸せなことなのだと
改めて思わされるシーンです。
5歳の娘と読もうとした絵本だけれど、
5歳にはきっと理解できない。
10歳の息子と読んでよかった一冊です