「せん」 みんなの声

表紙の赤い帽子と赤い手袋にスケート靴を履いた女の子が軽やかに描く”せん”に魅せられて図書館から借りてきました。中身に文字がないのを捲っていて知りました。女の子の軽やかなスケートに魅せられぱなしでした。軽やかに”ジャンプ”・・・・・・えっ、転んでしまいました。とても賑やかになって楽しそうなスケートになりました。何度も何度も転ぶまでを飽きもせずに眺めている私でした。

文章がなく、絵だけで魅せる作品です。
白い紙に、鉛筆で描かれるスケート靴をはいた少女。
彼女が氷の上を滑りだし、その軌跡が線となって氷上に現れます。
静止画なのに、その躍動感が伝わってきます。
そして、ジャンプ。
え？転倒？
そこからが不思議な展開。
あ、紙上の光景だったのね。
でも、そこからの飛躍がすごいです。
さあ、ここからどんな物語を感じますか？
小学生くらいから、静かに感じ取ってほしい作品だと思います。

アイスリンクの上を一人で滑るのと、大勢で滑るのとでは、どちらが楽しいのでしょう。
前半では、女の子がフィギアスケートのように氷上を滑りながら、線を描いていきます。ジャンプに失敗してしまったけれど見事な図形に思えました。
後半では、大勢の仲間たちが氷上で遊び回り、いつか一緒になって大きな円を描き始めます。
どちらも作者が描く紙の上の物語という設定が面白いと思います。
言葉のない絵本です。
うけとりかたは自由ですね。

「なみ」も「かげ」も、スージー・リーさんの絵本が大好きです。
こちらはスケートリンクの上の物語。
赤い帽子と手袋をつけた女の子がリンクの上を滑ります。
そこに流れるように描かれる「せん」。
まるで氷を削る音まで聞こえてきそうです。
言葉はないのに、だんだんと賑やかになっていくのが感じられて。。。
冬にぴったりのおしゃれで素敵な作品でした。