「チンチラカと大男 ジョージアのむかしばなし」 みんなの声

スズキコージさんの怪しげなイラストに惹かれ、手に取りました。
知恵が回るので有名なチンチラカ。気まぐれな王様に、魔の山に住む大男から黄金のつぼや楽器をとってくるように次々と命じられます。
成功すると今度は大男を捕まえてこいと命令されて……。
ドキドキするこわくもあるお話ですが、最後はそうきたか！なうれしい展開でした。
いろんな作家さんがそれぞれ個性的なイラストを描いている「世界のむかしばなし絵本」シリーズ。これまで『梨の子ペリーナ』や『まめつぶこぞうパトゥフェ』『金の鳥』などを読みましたが、どれも面白くておすすめです。

ジョージアのむかしばなし。
トルコ。ロシア、黒海に囲まれた国、ジョージアのお話は馴染みがないので、
興味深いですね。
しかも、スズキコージさんの迫力の絵が、その世界観にマッチしています。
貧しい3兄弟の末っ子、チンチラカ。
仕事を探そうしますが、なんと、王さまのところで働くことになるというのにびっくりです。
もちろん、チンチラカの知恵の成果です。
そして、王の命令で、厄介者の大男の持ち物や、大男そのものを取ってくるように言われるのですが、
チンチラカの知恵が見事です。
チンチラカは「とんちのきく若者」というキャラクターで伝わっているそうで、
そのキャラクターが存分に発揮されています。
それにしても、何とも豪快なストーリー。
昔話の醍醐味です。

スズキコージさんの絵に圧倒されますが、何ともアッサリしたお話です。
王様はチンチラカに、怖い大男の宝物を取ってくるように命じますが、アッサリとそれがかなうと、今度は大男自身を連れてくるように命じました。
何を考えているのでしょう。
チンチラカの抜け目なさにも驚きました。
それよりも、チンチラカのお兄さんたちの、良いとこ取りの役どころに感心してしまいました。
ジョージアの昔話ですが、日本ではあり得ませんね。

ジョージア（グルジア）の昔話
ジョージアは国土のほとんどが山岳地帯なので、やっぱり山に対して恐れをもつ地域なのかな。
日本でも山の中というとだいたい不安やヤマンバとか怖い物語が多いし。
ジョージア語からロシア語に訳してそこから日本語に訳した絵本で、初めてジョージアの昔話を読みました。
読み聞かせには１０分くらいかかります。