この「おばけパーティー」に出会ったのは もう随分と前のことですが、
“なんてセンスのある絵本なのだろう!”
と、じっと見入ってしまったことを思い出します。
おばけたちの白、背景の黒、
その二色に対する、食器や飲み物の鮮やかな色・・・。
とにかくバランスが本当に見事で、何度読み返しても引き込まれてしまいます。
真夜中のパーティー、食事を楽しむおばけたち、窓の外に見える月も
なにもかもが奇妙で、魅惑的に映るのです。
それに、おばけたちがなんとも言えず可愛らしい!
おばけなのに料理を振舞ったり、舌鼓を打ったり、音を怖がったり(!)
なんだか妙に親近感が湧きます。
また、日本語訳も 読んでいて気持ちが良いです。
とても軽やかで、それでいてキリッとしている。
この世界観に、ぴたりと合っていると思います。
特に、おぼんが壁につかえてしまった場面の
「あ、そうか。こうすればいいんだ」
という、“あたりまえ”な空気がとても好きです。
おばけに「アンリ」という名前がついているところも
可愛らしくもどこかブラックに感じて、
おばけになる前は、やっぱり人間だったのかな?
なんて、思わず考えてしまいました。
これからも、長く続いて欲しい 大好きなシリーズです。