新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

あいててて!」 みんなの声

あいててて! 絵:フレッド・マルチェリーノ
訳:せな あいこ
再話:ナタリー・バビッド
出版社:評論社 評論社の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2007年04月
ISBN:9784566008618
評価スコア 4.73
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みんなの声 総数 21
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21件見つかりました

  • 完成度の高い作品

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    2008年のアメリカの作品。
    グリム童話の再話ということなのですが、確かに読んだことのあるような話です。
    グリム童話は、「本当は恐ろしいグリム童話」という書籍が刊行されるくらい原作は残虐な話が多いのですが、今回は再話ということで、少し押さえ気味の感がありました。
    原題は、「Ouch!」
    邦題が、あいててて!なのですが、この題名の由来を知りたいところです。

    物語は、王冠のアザのある赤ちゃんが生まれるシーンで始まります。
    占い師が、「大きくなったらお姫様と結婚する運命じゃぞ!」と言ったものだから、聞きつけた王様は面白くありません。
    王様は、身分を隠し男の子の家を訪ね、沢山のお金を渡し、王様になるに相応しく育てると引き取るのですが、それは全くの嘘。
    赤ちゃんを箱に入れて川に投げ込んでしまうのです。
    ところが、赤ちゃんは、粉やの親父に拾われて育てらます。
    その後も、この男の子に運が味方し、逆に何とか王様になるという予言を阻止しようとする王様の悪巧みはことごとく失敗するのです。

    地獄や悪魔も登場し、物語として読み手を惹きつけることは間違いありまえん。
    そのエンディングで、王様が地獄の淵を流れる川の渡し守になってしまうのですが、これって、ハッピーエンドなのか、一寸疑問です。
    王妃やお姫様は、どう思ったのかの記載はないので分からないのですが、やはりグリム童話という側面があるのかも知れません。

    原作を読んだことがないので比較しようがないのですが、ナタリー・バビットが再話したストーリー展開が素晴らしく文句のつけようがありません。
    人物像の描写も良いし、ワクワクドキドキ感に溢れていて、冒険活劇としても充分楽しめます。
    そして何よりも、フレッド・マルチェリーノの描く絵が、秀逸です。
    中世の風景や地獄絵図の素晴らしさもさることながら、人の表情の豊かさに魅了されました。
    一見の価値は充分にあると思います。

    完成度の高い作品としてオススメします。

    投稿日:2011/11/06

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  • グリムにもこんなお話

    宿命というものからは逃れようと思っても逃れられないものなんでしょうね。読んでいてそう思ってしまいました。

    前半の王様の行動が、最近読んだトルコの昔話にも似ているなあと思いました。

    お話もそうですが、絵もとてもインパクトがあります。特に王様が悪だくみをして手紙を書いている場面などは、王様のいやらしさが出ていると思いました。

    文体が、話し言葉的なので、それにちょっと馴染めないものを感じました。

    息子は、盗人が思いがけずよいことをすることに「いいことしてるじゃん」と驚いていました。

    グリムにもこんなお話があったんですね。絵も文も今風にアレンジされているので、好みがわかれるところだと思いますが、おもしろいお話だと思いました。

    投稿日:2010/03/17

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  • もっと 訳本で 名作を

     フランスのペロー、デンマークのアンデルセン、ドイツのグリム兄弟等、“洋もの童話”を幼い頃、相当数 読んでもらいました。
     この頃に、漠然としたヨーロッパ(特に中世西欧)への憧れの背景が、できあがったのかもしれません。まさか、後年これに絡む職に三十年近く就く事になるとは…。

     表紙絵の男性の品の良さに惹かれ、“角”のあることも、タイトル文字の無いことにも気づかず、開いてしまいました。

     グリム童話では、良く出てくるお姫様も登場するらしく、読み進めていくと、『金の毛が3本生えた鬼』をベースにしたお話のようでした。

     絵を見ると、地獄の世界は別として(笑)、服装、建物、風景等、相当練りに練って、時代考証を熟慮し作成されたものであると思います。

     グリム童話は、大人が読むと残酷であったり、展開が強引に思われるところもあったりですが、こどもたちにとっては、ストーリーに引き込まれ、先へ心が逸るような楽しさがあるようです。

     こどもたちが、このような名作たちに出会う事無く、“子ども時代”を通り過ぎてしまうのは、もったいないような気がします。

     この絵本のように、再話のような形でも、たくさん日本で訳され手に取ることができるようになって欲しいと思います。

     さて、我が息子の感想は、「悪魔も寝るんだな〜。」と、ポツリ。
     その後、「悪魔のばあさん、良いばあさん。」とツボにはまって、泣き笑いしてました。 

    投稿日:2009/08/05

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  • 楽しさ、面白さ、シャレっけいっぱいの本

    絵といい、文章といいとても軽快。読んでいて楽しくなります。語りが今風で、読む子にはウケそうです。
    ただ、あまり軽い文章を読み聞かせなれていない自分には、いまいちリズムにのれなくて、盛り上げどころで舌が空回り。多少ため口なれしていると良いかも。

    あるところに王冠もようのあざがある男の子が生まれた。それを知った王様が、親をだまして川に投げ捨てる。
    助けられて成長していた事を知った、王様は殺せと書いた手紙をマルコと名づけられた男に城に届けさせる。
    手紙がすり替えられて、姫と結婚することになったことを知った王様は、悪魔の毛を3本持ってこいと難題を命じる。
    本当に悪魔の毛を持ち帰り、おまけに宝物まで目にした王様は、マルコの言葉を信じて地獄に行き、川の渡し守になってしまう。
    これってめでたしめでたし?
    悪いのは王様だと思うけど、マルコの持ち帰った宝物を見て、普通の人間になっちゃったね。
    次の悪知恵を思いつかなかったんだもの。
    お姫さまは、王様がいなくなってどうなんだろう。

    主人公のマルコは、かわいそうだけど、これだけ運のいいヤツってそういない。
    幸せになって良かったね。
    でも、お姫様のお父さんをだまして渡し守にしてしまったんだから、王様の次に悪いのかもしれない。

    それにしても…。
    タイトルの「あいててて!」は何だったんだろう。
    表紙の絵を見て、悪魔との対決がメインテーマかと思った私は見事にだまされた。
    最後の絵で、渡し守となった王様が舟に乗せているのは悪魔。その悪魔が鏡など見てけっこうナルシスト。
    考えるといろいろな事がちりばめられていて、読み返すたびに大人も楽しめる絵本の一級品です。
    子ども達も、あれこれ理屈で考えず、夏の子ども映画を楽しむ感覚で、大いにウケてくれると思います。

    投稿日:2009/07/12

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  • 驚くような強運

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    生まれつき王冠の形をしたアザがある赤ん坊は、お姫様と結婚する運命だと占い師に言われたばかりに、王様のひどい仕打ちにあいます。

    この赤ん坊の王冠にはやはり意味があったんでしょうね。
    王様のどんな仕打ちにも、驚くような強運で乗り切ったり、素直で優しい性格で周りに助けられたりします。
    内容もはじめから予想のできる展開ですが、やっぱり王様にはいちいち腹が立つし、好転にはうれしい気持ちでいっぱいになります。

    最後はめでたしめでたしで終わるわけですが、細かいところが気になる自分にはちょっとひっかかることも。
    この主人公の本当の両親のこと、王様がいなくなった後のおきさきさまとおひめさまのこと。
    お互い家族がいなくなって心配していると思うのですが・・・
    悪いことをした王様でも、おきさきさまやお姫様にとっては大切な家族のはずなのに、幸せそうにしているお姫様に違和感がありました。・・・・考えすぎですかね。

    投稿日:2009/03/29

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  • あいててて

    我が家は後半笑いました。
    悪魔の三本の金の毛を探しに地獄へいくのですが、もうあんまり残っていないからもらえないだろうという悪魔のおばあちゃん。
    悪魔は……ハゲ?
    ハゲ?
    ハゲー!!!
    かなり期待しました。
    で、おばあちゃんはどっちの味方やねん!とまたもや笑い。
    おひめさまの結婚できないと言ったとたん、あらまー!それはいけないって、お孫さん気の毒です(笑)

    それでも私は(期待通りでなかったこともあり 笑)なぁんだそうなのかと思ったのですが、娘がおもしろがって起きぬけに(時間がないのに)ゆっくり見直していました。
    グリムらしい話でしょうか。運って、味方にするとすごいですね。
    運のある人の側でいらぬことをすると、不幸になっちゃうんですよね。あいててて!

    投稿日:2008/07/04

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  • スカッとするエンディング!

    • 花ぶらんこさん
    • 40代
    • ママ
    • 大分県
    • 男の子12歳、女の子9歳

    原書のタイトルは『Ouch!』、
    でも表紙には書かれてなくて、背表紙のほうに。
    最初思わず裏から読もうとしてしまいました。
    引っ掛かったって感じです。
    さてこのお話、グリムの再話です。
    生まれた時に将来お姫様と結婚する運命だって
    占い師に言われた赤ちゃん、
    それを聞いてしまった王様は
    生まれたばかりの自分の娘と結婚させまいと手段を考えます。
    なんだか残酷なの、でもイラストにユーモアがあってそれを感じさせない。
    登場人物がみんな卵型で味のある表情をしています。
    ちょっと最後に気の毒になってしまうのですが、
    これも自業自得って言えばそうだし。
    タイトル名が文中に出てきた時、「なぁんだ、ここなのか」って納得。
    いい意味で裏切ってくれた遊び心ある絵本でした。
    運命に逆らっちゃいけないんですよ、きっと。

    投稿日:2008/04/03

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  • グリム童話では何て題名?

    • たれ耳ウサギさん
    • 40代
    • ママ
    • 群馬県
    • 女の子16歳、女の子14歳、女の子12歳

    王冠のアザを持って生まれた赤ちゃんは、「お姫様と結婚する運命じゃぞ」と占い師に言われます。
    それを聞いた王様は「とんでもない!!」とばかりに赤ちゃんに対し画策しますが…

    オリジナルがグリム童話なので、悪者にはその報いが必ず来るよ、のセオリー通りの結末です。

    予想もつかない展開に5年生たちは息を呑んで、聞いてくれました。最後には小さいため息が聞こえたような気がしました。

    初回に流し読みしたら、どの場面が「あいててて!」なのかわかりませんでした。
    両表紙を見直し、ああ!ここだったの!!って認識しました。
    が、何故この表紙?何故この題名?
    バビットさんのユーモア?

    投稿日:2007/10/13

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  • グリム童話って、人道的にどうよ?ですね

    • てんぐざるさん
    • 30代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子12歳、女の子7歳

    「グリム童話」の再話です。
    読んだら、このお話知っていました。でも、「あいてててて!」という題名のグリム童話はなかったような気がしますから、題名は作者が考えたのかしら…?

    グリム童話って、基本的に残虐なお話が多いそうですが、これも「やはり人道的にどうよ?」という内容でした。

    ただ、最後にひどい目にあったのが、意地悪な王様だったので、まぁよしとするか。という感じです。
    昔から人々に語り伝えられたお話というのは、ほんとにいろいろ想像できて、面白いです。
    フレッド・マルチェリーノさんのイラストもすごく雰囲気が出ていて素敵でした。

    投稿日:2007/09/01

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  • 強烈なインパクト!痛快グリム童話!!

    • ぼのさん
    • 40代
    • ママ
    • 新潟県
    • 男の子13歳、女の子11歳、女の子6歳

    久しぶりに、父ちゃんが図書館で借りてきて、読んでくれた絵本です!

    表紙にタイトルが書かれてない絵本なんて?!今まで、かなりたくさんの絵本に出会ってきたけれど、初めてでした〜!!!もう、それだけで、インパクト大ですよね〜?!

    お尻に、王冠模様のあざがある赤ちゃんが生まれ、占い師が将来、お姫様と結婚するなんて言ったもんだから、ムカムカした王様は・・・???

    確かに、こういうストーリーは、外国の昔話に多いですよね?!(ランパンパンとか、シナのきょうだいとか)
    あの手、この手を使って、阻止しようとする王様を、みごとにぎゃふんと言わせてしまう、展開のおもしろさ。

    独特な語り口と、おしゃれな絵がマッチしていて、けっこう長めの絵本なんだけど、最後まで飽きさせません。

    脇役のはずの悪魔が、表紙やタイトルを飾ってるというのも、すごく新鮮な気がします!

    絶妙なオチまであって、大満足なラストシーン。
    張本人には気の毒だけどね。まあ、自業自得かな?!(爆)

    投稿日:2007/07/31

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