民話の「おんちょろ経」がベースになっているとのことです。
民話というのは、地方によっていろいろにバリエーションがあって、それが楽しいのですが、この『おんちょろきょう』を読む前に同じ梶山俊夫さんの『おんちょろちょろ』を読んでいたので、同じ作者が違う人の文で別バージョンを手掛けるということに、ちょっと面白さを感じました。
違いその@ 『おんちょろちょろ』では、おじいさんとおばあさんは健在です。
違いそのA 『おんちょろちょろ』では、お経をとなえた道に迷ったおとこのこでした。
違いそのB 『おんちょろちょろ』では、盗賊が三人でした。
と、話の詳細は異なってはいても、ベースが同じであることが判るので、2冊読み比べると面白さが倍増します。
『おんちょろきょう』の出版の方が後なので、かなり絵に梶山調が強くなっていると思います。
全体的に落ち着いている『おんちょろちょろ』の方が私好みなのですが、まずは子どもたちに聞いてみて下さい。