「おいていかないで」 みんなの声

このあやこは、「おでかけのまえに」のあやこと一緒でしょうか？おにいちゃんがいるから違うあやこかな？
一人で遊びに行きたいお兄ちゃん、でもお兄ちゃんについていきたいあやこ。兄弟の微妙な心理をじょうずに描いています。
娘にはまだ兄弟がいないので、こういう経験はありませんが、いつかこういう日が来た時、あやこのお兄ちゃんのように、結局は妹に負けて一緒に昆虫採集に行くような仲のよい兄弟になってほしいですね。
表裏表紙では、ちゃんととんぼをおにいちゃんが採ってくれました。あやこがお兄ちゃんの野球帽をかぶって、虫かごのとんぼをのぞきこんでいる姿はなんともかわいいですね。兄弟で一緒に読みたい絵本です。

年が離れ、ましてや男女の兄弟。上の子には邪魔に感じるときもあるんですよね。ごまかし方がかわいい。おトイレも済ませて、妹の最高の笑顔がいいです。

イラストは林明子さん。
筒井さんの子供の世界のとらえ方も素敵だし、林さんの子供達の表情や仕草もとっても素敵！
どうしてこんなにも子供達のことが表現できるんでしょう？この方達の描く絵本にはいつも驚きです。
さて、今回の絵本は、妹を連れていくと足手まといだから、こっそり外に遊びにいきたいお兄ちゃんと、「絶対に！」おいてかれまいとしてお兄ちゃんに付きまとう妹のやり取りの話。
妹は３、４歳くらいかしら。お兄ちゃんの服の裾をつかんではなそうとしない仕草が、自分のうちの子供達と重なって、可愛かったですね〜。
妹の気をそらせようと本を読み始めたお兄ちゃんのマネをして、隣で本を読む妹。この時妹が読んでいる絵本に注目！なんと、「おだんごぱん」なんですよ〜。
とっても素敵なきょうだいのお話、ぜひ、読んでください。

小学生のお兄ちゃんにとっては、まだ小さい妹のあやこは、何かと足手まといな存在なのでしょうか。
妹に黙って、そーっと一人で家を出ようとする度に、妹に見つかってしまい、
「おいていかないで」
と、言われてしまいます。
なんとなく、末っ子だった私の幼い頃を思い出して、もしかして、自分も足手まといだと迷惑がられていたのだろうかと考えてしまいました。
でも、物語の中の妹は、願いがかなって、優しいお兄ちゃんが根負けで、一緒に虫取りへ連れて行ってくれます。
何ともいえず、ほのぼのとしたラストで微笑ましい限りです。

兄弟に良くありがちな日常が、林明子さんの優しい絵で画かれています。

この絵本の中のあさえは、まるで娘のよう？！
「ママちょっとゴミ出してくるから・・・」
「ママちょっと車庫から荷物とってくるから・・・」
と娘をお留守番させるたびに「私も行く！」とせがむ娘。
この本と出会ってからは、「私も行く！おいていかないで！」になりました。・・・ママ困惑？！

娘にこの本を読んであげると、最後に必ず「よかったねぇ。」といいます。
自分が絵本の中のあさえになった気分でいるんでしょうね。

虫取りに遊びに行こうとしているお兄ちゃんに気づいたあやこが「わたしもいく〜。」
あの手この手であやこを振り払おうとするお兄ちゃんと、お兄ちゃんと遊ぼうと必死になっているあやこの姿は、何十年も昔の自分を見ているようで苦笑してしまいました。
きょうだいの日常のひとこまを上手に描いた絵本です。
根負けしたお兄ちゃんがあやこを連れて虫取りをするところは、娘もニコニコ。
微笑ましいきょうだいの姿っていいですよね。

あやこが遊んでいると、お兄ちゃんがそ−っと外へ遊びに行こうとします。あやこが気付いて「わたしも行く」とついて行きたがります。あの手、この手を使って、お兄ちゃんはあやこをおいていこうとしますが・・・。
我が家でも、長男と次女は７才も違いますが、同じような光景がよく見られます。（うちの場合、大抵はおいてかれて、大泣きしてますが・・・長男も横で聞いていて苦笑してました！）
いっしょに連れて行ってもらえた、あやこのまぶしい笑顔と、それを見守るお兄ちゃんの表情が、すごくリアルですごくいいです。（我が家でも、たまにあります。こういうシ−ン！）それにも増して、表紙と裏表紙の絵が好きです。
筒井・林コンビのかく、等身大の絵本の魅力には、脱帽します！

あやこのお兄ちゃんは虫を捕りに外へ行こうとしました。すると、あやこがきずいて「わたしもつれてって」。お兄ちゃんはどうにかごまかそうとして外へ行こうとするけど、どうしても見つかってしまうので行くのをやめて本を見始めました。いつのまにかあやこは寝ていました。お兄ちゃんはまたそ〜〜〜っと出ていこうとするとあやこは起きておにいちゃんをつかまえました。お兄ちゃんはあきらめてあやこを連れて虫捕りにいきました。あやこはお兄ちゃんが大好きなんですね。でも、お兄ちゃんは一人でいきたい・・・上手に兄妹のことがかかれているなと思いました。