2歳の息子が、図書館で選んできたので、内容も確認せずに借りました。2歳児にしては字が多いと思いましたが、意外にも最後まで聞き入り、何度も何度も読んでとせがみます。
登場する男の子の住む村で獲れたさくらんぼを、町で売って儲けたお金で羊を買います。描かれている世界がとても美しく、貧しいけれどお父さんがとても優しくて男の子も楽しそう。そんな普通の暮らしがほのぼのと描かれています。
そして、最後のページに衝撃的なメッセージがありました。
この村はその冬、戦争で破壊されたそうです。あとがきを読むと、この村は作者がアフガニスタンで見た実在する村がモデルで、男の子も実在の子だそうです。本の内容とラストがあまりに対照的で、涙がこぼれました。息子には’この村はもうないんだって。’と説明するのが精一杯でした。絵本ですが、ぜひ大人も読んで、戦争の事実を受け止めて欲しいと思いました。