話題
まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

新刊
はっけんずかんプラス 妖怪

はっけんずかんプラス 妖怪(Gakken)

しかけをめくると妖怪が登場!今大人気の本格子ども向け図鑑

  • 笑える
  • びっくり

絵本 おこりじぞう」 パパの声

絵本 おこりじぞう 作:山口勇子
絵:四国 五郎
出版社:金の星社 金の星社の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:1979年11月
ISBN:9784323002378
評価スコア 4.72
評価ランキング 1,374
みんなの声 総数 17
  • この絵本のレビューを書く

並び替え

1件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ
  • その後も気になるじぞうと花

    山口勇子さんの作品の前半を、民話語りの沼田曜一さんの語りと、原爆の悲惨さを描き続ける画家の四国五郎さんの絵で絵本にした作品。
    三者の思いが結晶になったものだけにとても思いと深みのある作品です。

    戦時中でありながら、まだ平常があった広島。それを一瞬にして地獄とした原爆投下。その悲惨さを、わらいじぞうという親しみのあるお地蔵さんと、少女の物語にして伝えています。
    原爆に被災して死ぬ寸前の少女。倒れこんで水をほしがる少女にわらいじぞうは自分の流した涙を与えます。
    さいごに安らいだ顔で息絶えた少女。仁王の顔になって天をにらみつけるお地蔵さん。そのお地蔵さんが涙を流した後、くいしばった顔が粉になって崩れていきます。
    これほど戦争の悲惨さを訴える話はないし、これ以上の説明は不要な作品です。

    この絵本にかかわった三人の思いが他にもあります。
    山口さんの原作。このお地蔵さんが「おこり地蔵」として広島に今もあるという話。復興した広島に戦争の悲惨を伝えるために立っている「おこり地蔵」について、絵本には記載されていない後日部分を加えて話してあげると子どもたちの納得度が高まるでしょう。
    沼田さんの文。民話の語り口調なのでしょうか、読み聞かせしやすいのです。語りが子どもたちに染みていくように思います。
    四国さんの絵。原爆の悲惨さを子どもたちに伝えるために、怖さを与えるのではなく、残酷さを柔らかに表現しています。あまり写実にはしると、この絵本の語りがしみこんでいかないように思いました。そして、最後の片隅にある花。実際にはあり得ない光景かもしれない。しかし、四国さんはここに望みを託したのだと思います。

    子どもたちには、原爆の悲惨さを知るだけではなく、未来に向けて平和を育ててほしい。
    とても良い本です。

    投稿日:2009/12/28

    参考になりました
    感謝
    0

1件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

この作品にレビューを投稿された方は、こんな作品にも投稿しています

はらぺこあおむし / しろくまちゃんのほっとけーき / おつきさまこんばんは / きんぎょがにげた / もこ もこもこ / ぐりとぐらのかいすいよく / がたん ごとん がたん ごとん / おばけのバーバパパ / 一つの花

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ



絵本ナビ編集長『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』2月24日発売!

みんなの声(17人)

絵本の評価(4.72)

何歳のお子さんに読んだ?


全ページためしよみ
年齢別絵本セット