「シンプキン」 みんなの声

シンプキンのお茶目な行動を通して
子どもの二面性や複雑さを示してくれる絵本ですね。
どんな人でも一言で言ってしまえるほど単純な性格ではありませんよね。
子どもに当てはめて考えたら　なおさら・・・ですよね。
子どもに手を焼いて困ったなというときに　広げて読むと冷静になれそうかなあと私自身は読後に感じました。
クェンティン・ブレイク氏は軽いコメディのような中に
強いメッセージを込めることができる作家さんだなあとじみじみと思います。

「あなたってどんな人？」と聞かれたら何と答えたらいいのでしょう。ちょっと困ります。

ある時は引っ込み思案だけど、ある時は積極的だったりするからです。

一口に性格といっても説明するのって難しいなあと思っていた私。私の気持ちにぴったりきたのがこの本です。

シンプキンは男の子。シンプキンのことについて詳しく説明された絵本です。「はやいときもあれば　おそいときもある」。こんなことって自分でも子どもでも思い当たりそうです。行きたい所には早く準備していくけど、病院とかだと足どりも遅くなります。

性格は経験したことや成長することでも変わっていきます。人との関係でも変わってきますしね。

うちの息子も次に何をするか予測がつかなくて見ていて飽きませんが、このシンプキンも大人から見ると予測不可能かも。それが子どもっていうことかも。

「シンプキン」とみんなで呼ぶところがあるのですが、息子はそこを読んだ後、「シンプキン」と何度も呼んでいました。

クェンティン・ブレイクのイラストも楽しいおもしろい絵本です。

チョコレート工場の秘密の絵の人だ！と嬉しくなって選びました。彼の絵には面白さがありながら繊細さも持ち合わせており私の大好きな人です。この絵本にも彼の魅力は健在でした。主人公の男の子を通して色々なことを体験できるところが気に入りました。しかもユーモアを感じられるところがいいです。ママの荷物を運ぶ時はへなちょこなのに好きな女の子の前では熊を持ち上げられる主人公。分かりやすい性格です。楽しい性格です。友達になりたいくらい素敵な性格の持ち主だと思いました。落ちたり転んだりひっちゃかめっちゃかになりながら読み進み気が付いたら主人公の魅力にはまり虜になっていたという嬉しいおまけつきの絵本でした。楽しい空気の流れる絵本でした。