真夜中、僕とお姉ちゃんが寝ている部屋のドアを開けて、ママがささやきました。
「ふたりとも、 おきて。 やくそく、 おぼえてる?」
二人は準備をして、パパとママといっしょに家を出ました。
真夜中の町は静まり返って、起きているのはホテルくらい。
街を抜けて農道や山道を歩き、家族は目的地へと歩き続けます。
登場人物は、僕たち家族と動物たちのみ。
セリフをほとんど入れずに、お話が静かに進んでいきます。
でも、代わりに景色が賑やかなのですね。
ホテルは明るいし動物たちは見ているし、星々はキラキラと瞬いています。
真夜中から夜明けまでの景色を一冊の絵本で見ることができて、なんだか満腹な気持ちです。
夜明けを目指して歩き続けるって、異世界を体験しているようで楽しそうです。
一度やってみたいと思いました。