人間「やってはいけない」と言われると,かえってやってみたくなるものです。
この絵本でも,お馴染みの猫たちが,「花をとるな」「橋を渡るな」等の立て札があるのに,猫たちはそれを破ってしまいます。そして,「入るな」と書かれている袋の中に入って化け物に捕まってしまいます。
ストーリーだけを書くと,何かお説教めいた話かと思われるかもしれませんが,そうではありません。
猫たちは,あいかわらず,わがままで,エネルギッシュで,だけど間が抜けています。しかし,自分たちの逆境をはねのける「たくましさ」を持っています。そこが本当に魅力的です。
「まじめなものをおかしさの中にくるんで表現するからこそ逆に心に残る」と作者の馬場さん語ってらっしゃたようですが,この絵本も本当にそのことを感じさせる1冊です。