切ないおはなしです。
かえるのじいさまが気まぐれに食べてしまったあめんぼの夫婦。
その娘のあめんぼが訪ねてきます。
「一目でいいから両親に会いたい」
むすめあめんぼを前に食べてしまいたい本能と、
可哀想なことをしてしまったという後悔で葛藤する
じいさま。
絵がすごいんです。
じいさまの表情・・無垢な娘あめんぼおはなの対比。
親を亡くしたおはなの気持ち。
命を頂くことで生きていくしかない生き物のせつなさ。
絵本だから、「大きく開けたお口からピョン!と両親が飛び出して
きました」なんて展開も予想したのですが、
そこはそんなふうに甘くまとめず、あくまでも切なくリアルに
終わるのです。
おめんぼおはなの前向きさに救われます。
真実から逃げない絵本です。