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幼なものがたり 作:石井 桃子
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  • 石井桃子さんの幼少期

    図書館の石井桃子さん追悼コーナーにありました。

    幼い時の記憶を辿ったお話で、「一年生」になったところまでが描かれています。

    明かりがランプだったことや、明治天皇の死についても触れられていて、四つの時代を生きた証人のような人だと思いました。

    1歳の頃に亡くなった弟の記憶もあり、かなり早くからの記憶が鮮明であることに驚きました。

    大家族の中で育ち、家族の誰と誰が親密であったか、子どもながらよく記憶し観察していたことにも驚かされました。

    明治末期の浦和の様子や、大家族の生活史として読んでも興味深かったです。

    私は、作品を読むと、その人の人となりも知りたくなる方なので、石井さんがどんな幼少期を過ごされたのかがよくわかり嬉しく思いました。

    読んでいて、なぜか幸田文の子どもの話を書いたエッセイを思い出したのですが、幸田文(1904年生まれ)、石井桃子(1907年)と比較的近い生まれなので、同時代性を感じたのかもしれないと思いました。

    投稿日:2008/05/09

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