NHK朝の連続テレビ小説(通称 朝ドラ)の影響は大きく、
物語のモデルとなった人々の関連本など出版界も大いに賑わうことになる。
その第113作めとして2025年9月から翌年3月まで放送された「ばけばけ」は、
作家小泉八雲とその妻セツがモデルということで、
二人の伝記だけでなく八雲の作品もあらためて本屋に並ぶことになった。
大人向けだけでなく、子供の世界にも波及し、「八雲えほん」として絵本で出版されている。
この『むじな』は「八雲えほん」の3巻めにあたる。
『むじな』は小泉八雲の作品の中でも知られた作品のひとつで、朝ドラの中でもその一節が登場する場面があった。
昔英語のテキストでこの作品の英語版を習ったことがある。
話はとてもわかりやすい。
暗い夜道で泣いている若い娘がいて声をかけると、なんとその娘は「ぬるんとした」のっぺらぼうだった。
男は驚いて、屋台のそば屋に逃げ込む。
と、その店主もまた「まるで、むきたてのゆでたまごのような」のっぺらぼうだった。
シリーズ編者の東雅夫さんによれば、これは「再度の怪」と呼ばれるタイプの話だという。
つまり、似たような怪異に遭遇し驚かされるという型。
「むじな」は、漢字で書くと「貉」。昔から人をだますといわれたタヌキのことだろうか。
八雲の原作を田辺青蛙さんが翻案し、絵本作家の高畠那生さんが絵を描いた絵本。
朝ドラ「ばけばけ」は終了したが、八雲の世界は終わることはない。