カズノ・コハラさんは、大学卒業後イギリスに渡りアングリア・ラスキン大学の美術学部で版画を学んでいます。
初めての絵本である本書で、2008年度ニューヨークタイムズ・ベストイラスト賞に選ばれたのですが、成る程と頷ける出来栄えの作品だと思います。
ストーリーは至極単純で、主人公のマージョリーとねこのオスカ−が引越したのがおばけやしきで、なんと、そのおばけ達をカーテンにしたり、テーブルクロスにしてしまったりというもの。
話に起伏はなくてそれ程惹かれるものはないのですが、この作品の魅力はオレンジ色の版画と紙を透いたような白いおばけの対比の妙にあります。
白いおばけは、和紙のような感じがとても綺麗で、どういう手法で描かれているのか、とても興味をそそられました。
また、おばけのキャラクターも親しみ易いもので、作者のセンスが感じられると思います。
イギリス発のカズノ・コハラさんの今後の活躍に大いにきたいしたいところです。